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軽い副作用があっても大丈夫!でも初期症状を見逃さない

副作用の初期症状を見逃さない

副作用は、どれほど起きているものなのでしょうか。米国の調査によると、入院患者の15人中1人の割合で、入院継続が必要か、後遺障害などの重い副作用が起き、そのうち20人に1人(全入院患者の300人に1人)が死亡したとされています。全米規模にすると、年間200万人に重い副作用が起き、10万人が死亡したことになります。日本の人口に換算すれば、100万人に重篤な副作用が起き、5万人が死亡することになります。

この米国の統計は、副作用の定義をより狭くとり、因果関係の確実性が低い例は除外しています。
過剰使用など不適切な使用例や、長期使用による発がんの害なども除かれています。こうした例を含めると、さらにたくさんの人が薬剤の害で苦しみ、死亡していることになります。日本で年間五万人というと、肝硬変と肝がんによる死亡者数を合わせたくらいの人数で、死因の第五位。たいへんな数です。大きな薬害事件といえども、氷山の一角ということにさえなります。

入院していない人や、本来は必要ない人にまで薬が使われていることがあります。たとえば、これまで取り上げてきたコレステロール低下剤や降圧剤は、本来健康で薬剤など必要ない人にたくさん使われています。高血圧を新ガイドラインの基準で治療すると、心筋梗塞になる人が8000人減っても、死亡する人が四万人以上増えることになりかねません。長期の害を入れると、薬剤による死亡ははかりしれません。

適切な使用でも起きる副作用に注目
副作用は軽くてもないほうがよいと思っている人は多いと思いますが、軽い副作用症状はあったほうがむしろよいのです。というのは、軽い副作用症状が起きるということは、その薬が効きすぎていることを示すはじめの徴候であることが多いのです。

死ぬかもしれない害、重大な後遣症につながる害を予防できるかどうかは、重症になる前の初期段階で早く副作用に気づけるかどうかにかかっています。軽い症状がない場合、知らず知らずのうちに血液中の薬剤の濃度が高まり、副作用があらわれたときには、命にかかわることになりかねないのです。

たとえば吐き気止めのメトクロプラミド(商品名「プリンぺラン」など)による、筋肉が自分の意思とは無関係に動いてしまう筋緊張異常反応は、不快でびっくりするような副作用ですが、服用を止めれば元に戻ります。

しかし、その副作用が少ないドンペリドン(商品名「ナウゼリン」など)は、過剰になると重い不整脈を起こして死ぬことがあります。
もとの病気が悪化したのか副作用なのか、見分けがつきにくいものも見逃されやすく、しばしば重駕で命にかかわることになります。その代表が、解熱剤として使用される非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)による脳症、多臓器不全症候群です。

薬剤によるけいれん、あるいは薬剤による低血糖が原因で起きるけいれんのために低酸素性脳症を起こし、寝たきりになったり、知的障書など重い障害を残す場合もあります。長期使用後には発がんの可能性が高いものも、命にかかわる副作用といえます。

テオフィリンによる吐き気や嘔吐を見逃して使用し続け、脳症後遺症を起こした子の例もあります。
死亡にいたるような重大な反応が、どのような症状ではじまるかは大切な情報です。医師、薬剤師にしっかり確認してください。

また、一日一回の服用で済む薬は便利ですが、副作用が起きたときに中止しても、血液中に薬が残っている時間が長いので、副作用の害が長引き、命にかかわることや、重い障害が残ることにつながりやすいということにも、注意しておいてください。