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胃腸薬を飲むと感染症を起こしやすくなるので自然回復を待つ

時間が解決

食べすぎ、胃もたれ、二日酔いで胃がむかむか。早くなんとかしたい。このような症状は時間が解決してくれます。

胃腸薬といっても抗潰瘍剤、吐き気止め、消化剤(消化酵素剤)、便秘薬、整腸剤、下痢止め、利胆剤、痔疾用剤、潰瘍性大腸炎用剤など、多種多様です。ここでは、胃腸薬の代表格、胃・十二指腸潰瘍に用いる薬剤を中心にします。

胃・十二指腸潰瘍の薬は7種類で十分
胃には、食べ物といっしょに体に有害な菌やウイルスなどが入ってきます。強力な酸(塩酸)を主成分とする胃酸によって、有害なものを殺菌します。

胸やけが起こるのは、胃酸が食道にまで逆流してきたため。食道は胃酸で傷つくのに、胃の粘膜は胃酸がたっぷりあっても平気です。

これは、胃の粘膜が分厚い粘液に守られているからです。アルコールの暴飲で胃が不快になるのは、アルコールから変化したアセトアルデヒドの中で脳が刺激されることと、この粘液が溶かされ、胃壁が直接胃酸の攻撃にさらされ、荒れるからです。

ところで、以前は完全に無菌状態と考えられていた胃の中にも菌がいることがわかりました。「ピロリ菌」(正しくは「へリコバクタ・ピロリ」)が胃・十二指腸潰瘍の原因として重視されるようになり、胃・十二指腸潰瘍の治療方法はすっかり変わってきました。

以前は胃酸を抑え、粘膜を保護すると称する種々の薬剤使用が主な治療方法だったのですが、現在はピロリ菌を抗生物質で消減させてしまうことで、青・十二指腸潰瘍がもっと治りやすくなったのです。

胃・十二指腸潰瘍の原因も、大きく2つに絞られてきました。ピロリ菌と、抗炎症解熱鎮痛剤を使用していることが二大原因です。もちろんストレスや喫煙、特に喫煙は相変わらず無視はできません。

たばこを吸っている人は止めましょう
世界の医学の教科書に載っている胃・十二指腸潰瘍用の薬剤は、次の七つです。

①胃酸を中和するもの(制酸剤)
②胃潰瘍の面に膜を張って、胃酸の攻撃を防御するもの(スクラルファート)
③副交感神経抑制剤(胃酸を抑え、胃けいれんを和らげる)
④H2ブロッカー (胃酸を抑える)
⑤プロトンポンプ阻害剤(胃酸を抑える)
⑥非ステロイド抗炎症剤により潰瘍ができるのを抑える薬剤(ミソプロストール)
⑦ピロリ菌を排除するもの(抗生物質)


厳密にはもう一種類(ビスマス剤)ありますが、日本では未承認ですし、なくても特に困りません。

しかし、日本にはこのほかに30種類余りの不要な薬があります。2003年に発表された厚生労働省研究班の胃潰瘍診療ガイドラインでも、約20種類の薬剤が「推奨しない」とされました。

なかには、効かないだけでなく、危険なものもあり、それでいて高価ときていますから、たちが悪い。

日本発・世界的評価の高いスクラルファート
先にあげた7種類は、胃・十二指腸潰瘍の治療には必要な薬剤です。しかし、それでも注意すべきことはあるのです。使われすぎの割には危険性があまり浸透していないのがH2ブロッカー。

一方、世界的には評価が高いのに日本では評価が低く、しかも安価なため、逆にあまり使用されていないのがスクラルファートです。この2つについて特に詳しく解説します。

スクラルファートは、日本の中外製薬によって開発されたアルミニウム化合物です。胃酸を中和する作用もありますし、胃・十二指腸潰瘍面のタンパクと結合して膜を張り、胃酸の攻撃から守ります。

少し便秘しやすいですし、食前に使用しないと効果がありません。少し使いにくいですが、潰瘍の再発率がH2ブロッカーよりも少ないし、感染症などの全身的な副作用が少なくて、患者のストレス潰瘍の予防に対しても、H2ブロッカーより優れています。

さて、問題のH2ブロッカー。効き目も確かですが、せん妄、つまり急性の認知症様症状を起こすことの多い要注意の薬剤です。ほかの薬剤で胃が荒れるのを抑えるために、胃・十二指腸潰瘍でなくても、病院では点滴などに入れて頻繁に使用されます。

H2ブロッカーは、胃壁にある胃酸分泌に関係するヒスタミンH2受容体を抑えて胃酸分泌を抑制します。胃・十二指腸潰瘍の治療を一変させ、それまでは手術が必要だった人も手術を免れるようになったほどの優れた薬ですが、その副作用に関する知識が医師にもあまり浸透していません。

ヒスタミンというのは体の防御機能を担っている重要な化学物質の一つ、炎症反応の重要なもので、炎症を始まらせるときにも、炎症を終わらせるときにも必要です。

アレルギーや炎症の起こりはじめにヒスタミンが関係することは医師もよく知っていますが、アレルギーや炎症を終わらせるときの役割は、あまり意識されていません。しかし、傷の治りかけにかゆくなる現象は、このヒスタミンによるものなのです。

H2ブロッカーは、その働きを抑えるので、胃酸だけでなく、必要時に白血球や血小板が増えるのを抑えます。そのため、感染症が起こりやすくなるのです(胃酸が減って菌が増殖しやすくもなる)。

リンパ球の働きも抑えるため、自己免疫疾患を起こしたり、軽い自己免疫疾患が重症化したり、ほかの薬剤性アレルギーが悪化しやすくなります。

そして炎症の終了に働いているヒスタミンを抑えると、炎症反応がなかなか完了しない。つまり、傷や感染症の完全な治癒が遅れてしまいかねません。

また、H2ブロッカーは、神経や精神にも作用します。高齢者ではせん妄がよく起きますし、全身のけいれんが起きることもあります。ゆっくり進行する認知症と違い、認知症様の症状が1日から数日のうちに起きてきます。

服用量が多すぎたり、高齢者や腎臓が悪い人、がんの末期で高カルシウム血症を起こしているような人では、せん妄症状が出やすいので、特に注意が必要です。また、腎臓病や肝臓病の人では、ほかの副作用がより出やすくなります。

多用されている割に、せん妄や自己免疫疾患の悪化、感染症の悪化などが起きていることは、あまり知られていません。
市販の胃薬にも使われ、宣伝もよくされていますが、長期に使用するのは危険です。たかが胃腸薬とあなどるなかれ。



CMにのせられて買うのでは危ない胃腸薬の買い方
「食べすぎ飲みすぎに効く!」と、テレビでも電車内でも胃腸薬の宣伝を見かける機会は多いのではないでしょうか?

風邪薬と同様に、雰囲気でなんとなく買っている人が多い胃腸薬。風邪薬は、ぶっちゃけなんでも良いという結論なので、ぽったくりをつかまされる以外は取り立ててハズレらしいハズレもないのですが、胃腸薬は別。

胃腸薬の選び方ひとつでお腹を壊し、慢性的なボンボンベインに悩まされるはめになるかもしれないのです。

ゆえに胃腸薬の性質を最低限理解した上で、「食べすぎた」とか「胃がキモチワルイ」とかの状況に応じて薬を選んでいかないと、大変なことになりますよ!と、ひとしきり脅したところで本題に入ります。


症状別・胃腸薬ガイド
胃腸薬は薬局法では細かく分かれていますが、使用目的には大きく分けてだいたい4つです。

食べすぎた後など胃もたれが続く場合→胃酸を中和するという中和剤的な漢方ベースのもの
パンシロン(ロート製薬)、新キャベジンコーワS(興和)、太田胃散(太田胃散)、アバロンS(大正製薬)など

なんとなくお腹に不快感があり、空腹時や朝、口臭がひどい場合→胃粘膜を保護するもの
商品例:セルベール(エーザイ)、スクラート胃腸薬(ライオン)など

胃痛・胸やけがする場合→胃酸の分泌を抑える
商品例:ガスター10(第一三共へルスケア)、アシノンZ(ゼリア新薬工業)など


食後に膨満感が続く場合→消化吸収をサポートする消化酵素や乳酸菌剤
第一三共胃腸プラス、新タカヂア錠(いずれも第一三共へルスケア)、新ビオフェルミン(新ビオフェルミン製薬)、ザ・ガードコーワ整腸錠PC(興和)など

あれ?正露丸(大幸薬品)が入ってないじゃないかと言う人がいるかもしれませんが、実は正露丸は極めて古い薬で、結構強力な殺菌剤。

もともと食品が衛生的でなかった時代に、食べ物を消毒しながら食べるといったようなニュアンスで使われていた薬です。日本で衛生的な食生活を送っている上では必要とする機会はあまりないと言ってもいいでしよう。

食前に飲むと効杲バツグン
まずは、胃粘膜を保護するものについて解説しましょう。
ドラッグストアでは「セルベール」(エーザイ)と「スクラート胃腸薬」(ライオン)が2強といった感じですが、スクラートの成分であるスクラルファートはカルシウムと反応して変化し、効能が台無しになります。

それどころか、頭痛などを引き起こすこともあり、乳製品以外のカルシウムでも反応してしまうので、あまり良い商品とは言えません。

その点、セルベールに含まれるテプレノンは、医者が処方薬で好んで出すセルベックスと同じものであり、最近OTC(薬局・ドラッグストアで売られている薬)として薬局で売られている鎮痛剤ロキソニンSが胃粘膜を荒らすことがあるので、その副作用を抑えるのにも役立ちます。


最後に、消化吸収をサポートする薬などがありますが、これまた含まれる成分は千差万別で、特に怖い成分はないので、自分に合ったものを選んで買うと良いでしょう。

タカヂア信者(新タカヂア錠・第一三共へルスケア)やビオフェルミン教(新ビオフエルミンS・ビオフエルミン製)、ザ・ガード信奉者(ザ・ガードコーワ整腸錠PC・興和)などいろいろいますが、体質次第なので、どれがオススメ!というものは存在しません。



正露丸を飲むとデメリットのほうが大きい
正露丸の主成分クレオソートは、製法はどうあれ、フェノール14.5%、クレソール28.8%などの消毒剤を含むフェノール系化学物質の混合物です。フェノール系化学物質であるクレオソート細胞毒です。

WH0の国際がん研究所(IARc)の分類で、ヒトに対する発がんの証拠はかぎられているが動物に対する発がんの根拠は十分であり、全体としてみた場合、「たぶん発がん物質」に分類されています。神経や血液、腎臓をも傷害します。

動物実験では、下痢を抑える量を3カ月から2年用いると貧血が起き、ヒトが使う量の3~3.5倍で腫瘍ができ腎臓萎縮が起きています。安全な量がどの程度なのか不明です。

ある60歳の男性は、7日間に常用量の約4倍(約250個)の正露丸をのんで、腸が麻輝して腸閉塞になり、小腸壊死のため80cmも小腸を切除しなければならなくなりました。

手術後は尿毒症になりましたが、透析でかろうじて一命をとりとめました。つまりヒトでも、たかだか4倍の量を服用してしまうと、1週間で死亡しかねないという毒性をもっているのです。

薬の説明書には、「5歳未満には禁止」「水や白湯なしでは絶対服用しない」など、絶対してはいけないことが4つも書いてあります。正露丸をのむのは止めましょう。

また、ウイルス性腸炎はこわい病気ではありません。手洗いを励行し、加熱調理を心がけること。

かかったら温かいものを食べ、水分と塩分を補給して安静を心がければ、2~3日で治る病気です。