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日本の医療費は安いけど薬剤費は高い!医療制度の違いを比較

世界の中での日本の位置づけ道

各国の医療制度の違いを比較
経済協力開発機構(OECD) では、毎年6月ごろ0ECD加盟30力国の保健医療と保健医療制度に関して比較可能な統計情報を公表しています。日本語に翻訳された「OECDヘルスデータ2009」では、1960~2007年を時系列で比較分析することができます。

GDPに占める総医療費の割合
GDP(国内総生産) とは、一定期間内に国内で新しく産み出された商品やサービスなど付加価値の総額のことで、その国の持つ経済力を比較できる指標の1つです。
GDPに占める総医療費の割合を比較することによって、その国の医療費が他の国と比べて高いのか低いのかを見ることができます。

OECDデータは、国ごとに補正した総医療費で集計されているため、日本の国民医療費と比較すると必ずしも一致しませんが、諸外国と比較する際によく利用される統計資料です。日本の2006~2007 年の総医療費支出の対GDP 比は8.1 %であり、0ECD平均の8.9%を下回るため、医療費が増加しているといってもOECD加盟国と比較すると低く抑えられている状況といえます。

総医療費に占める薬剤費の割合
OECD加盟国における医療費に占める薬剤費も公表されています。日本の2006 ~2007年の薬剤比率は19.6%であり、0ECD平均の17.1%を上回ります。特徴的なのは、米国のGDP比率が16.0%にもかかわらず、薬剤費が12.0%に抑えられている点です。
つまり、米国では薬剤費以外の医療費が高額で、日本では総医療費は低い状況の中、薬剤比率が高い状況だといえます。

国民1人あたりの医療費と薬剤費
OECDヘルスデータでは、国民1人あたりの医療費や薬剤費について公開しています。
国民1人あたりの年間医療費は、OECD平均2964ドルに対して日本は2581ドル、トップの米国は7290ドルです。国民1人あたりの年間薬剤費は、OECD平均441ドルに対して日本は506ドル、米国は878ドルです。
このように、日本ではOECD平均よりも医療費は低く、薬剤費は高い傾向があります。

患者の負担は一部のみですむ
条件によって支払額が変わる
患者が窓口で支払う医療費や薬剤費は、それぞれに一定割合を一部負担金として支払っています。その割合は、年齢と保険の種類、年間所得によって割合が決められています。

高額療養費制度
1か月間(同月内)に、同一の医療施設に支払った患者負担額が自己負担限度額を超えた分について支給されます。
高額療養費を受ける場合、保険者に「限度額適用認定証」の申請を行ない、交付された認定証を医療施設に提示することによって、窓口では自己負担限度額のみを支払います。
2009年4月より、高額な介護保険の自己負担も合算して負担を軽減する「高額医療・高額介護合算制度」が始まりました。これは、医療保険および介護保険の自己負担の合計額が高額になる場合に負担を軽減する仕組みです。
年額56万円を基本として、医療保険各制度や所得区分ごとの自己負担限度額をふまえてきめ細かく設定されています

医療保険の役割
私たち国民は、毎月の給料と賞与から算出され、等級分けされた標準報酬額に一定の保険料率をかけた額を保険者(健康保険組合、全国健康保険協会、市町村など)に納付しています。国民が加入している医療保険は、次のようになっています。

医療費や薬剤費は、患者の一部負担金以外に保険者の保険給付によってまかなわれています。これら保険者は、おもに次の「保険給付事業」と「保健事業」という2つの役割を担っています。

健康保険組合連合会
健康保険組合連合会( 健保連・けんぽれん)は、一定規模以上の社員(被保険者) のいる企業が設立する健康保険組合(健保組合) の連合組織です。現在、全国の1459 (2010 年7 月1 日現在)の健保組合で構成され、被保険者とその家族を合わせると、約3千万人が加入しています。

全国健康保険協会(協会けんぽ)2008年10月より、国(社会保険庁)で運営していた政府管掌健康保険(政管健保)が全国健康保険協会(協会けんぽ)に変わりました。中小企業等で働く社員やその家族が加入している健康保険で、本部と47都道府県支部で構成され、被保険者とその家族を合わせると、約3470 万人(2009 年3月末現在)が加入しています。

2つの医療保障制度
日本の医療保障制度には、前項の健康保険以外に国と地方公共団体(都道府県単位の広域連合) による「後期高齢者医療制度」と、「公費負担医療制度」があります。
0 後期高齢者医療制度日本は高齢化が進み、医療費が今後ますます増大する予測のもと、持続可能な医療保障制度のために導入されたのが後期高齢者医療制度です(廃止案が検討されています)。
高齢者の医療を国民全員で支えるため、税金で5割、若い世代の保険料4割、高齢者の保険料1割という負担割合です。

公費負担医療制度
公費負担医療は、医療扶助、社会福祉、公衆衛生の3つからなり、国と都道府県が自己負担分の全額または一部を助成するものです。その中でも、医薬品と関係の深いものを紹介します。

特定疾患治療研究事業
特定疾患とは、「原因不明、治療方法未確立であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病」で、いわゆる難病と呼ばれるものです。その特定疾患のうち、現在では45疾患を対象に受給者証を交付しています。
受給者証を提示すると、医療施設では月額で定額までの負担で医療を受けることができ、保険薬局に処方せんを持参すると、薬剤費の一部負担金は必要なくなり無料となります。
●乳幼児・子ども医療費助成
居住する市町村によって受給年齢などに違いがありますが、乳幼児は就学前、子どもは小中学生までを対象にした医療費の助成制度です。受給者証を提示すると、医療費や薬剤費の一部負担金が必要なくなる、もしくは低額になります。
●生活保護
経済的に困窮し、生活保護費の支給を受けている患者については、医療費も薬剤費も公費でまかなわれ、一部負担金は必要ありません