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漢方薬はそれぞれの症状に合わせて処方される

漢方薬とは

漢方薬とは漢方薬は生薬(薬草、動物、鉱物など)を複数、決められた分量で組み合わせた薬です。

漢方治療では、患者さんの自覚症状や診察結果から患者さんの体質などを含めた総合的な状態を示す「証」を見定めることにより、使用する薬の決定がされます。そのため、同じ症状でも「証」が異なれば使用される薬も異なる場合があります。

漢方に使われる生薬の多くは植物の根、茎、樹皮、果実、花などさまざまな部位から得られるもので、食品として使われているものもあります

たとえば、ショウガの根は漢方ではショウキョウ(生姜)、杏仁豆腐にも使われるアンズの種は漢方ではキョウニン(杏仁)と呼ばれています。

また動物や鉱物から得られる生薬としては、ウシの胆石であるゴオウ(牛黄)、カキの貝殻であるボレイ(牡蛎)、大型哺乳動物の化石化した骨であるリュウコツ(竜骨)、石膏などが当てはまります。

これらの生薬を組み合わせると薬になりますが、それぞれの組み合わせ(処方)には、葛根湯、小青竜湯などの処方名がつけられています。

たとえば、葛根湯という処方名は、葛根(クズの根)、桂皮、生姜、大棗(ナツメの果実)、甘草、芍薬、麻黄の7種類の生薬の組み合わせになります。


漢方薬がよく効く病気・症状
漢方薬は西洋医学でも扱えないような病気に有効です。たとえば、原因の良くわからない貧血、冷え症、肩こり、のぼせ、月経困難症、皮膚のシミ、頭痛、全身倦怠感等には、じつによく効きます。

また尿が出にくい人・尿が近い人にも有効です。西洋医学では、不定愁訴といわれる症状は、検査をしても異常が無いので、精神的なものとか、自律神経失調症に分類されてしまうようなものです。

そのような場合、精神安定剤や睡眠薬や抗精神薬が処方されるでしょうが、効果が上がらない場合も多いはずです。しかし、そのような症状の患者さんこそ、漢方薬のよい適応と考えられます。

たとえば、女性の大敵、冷え症は冬にはもちろん、夏でさえ手足の冷えとして、多くの方を苦しめています。そのほとんどの人は、体質だからとあきらめておられるようです。

冷え症はテレビの番組でも、よく扱われている問題です。ということは、世の中の多くの人がこの冷え症に苦しめられているということです。その原因を一言でいえば、血流不全です。

血流不全の原因として、血管を収縮させる交感神経と拡張させる副交感神経のバランスが悪いことや、性格的に緊張しやすいこと、また服装や運動など生活習慣自体が冷え症になりやすいなどさまざまなことがあげられます。

この冷え症に対して、西洋医学では血管拡張作用を持つビタミンEや、貧血の改善薬、昇圧剤ぐらいでしか治療できません。これに対して漢方では、何種類もの薬があり、代表的なものに「桂枝夜(漢字違う)苓丸」、「当帰芍薬散」などがあげられます。

患者さんの体質によって使い分けることで、90%の患者さんは、冷え症で悩んでいたことが嘘のような毎日をおくっています。しかも、多数の生薬を配合している薬なので、たんに冷え症に効くばかりでなく、併せもっていた肩こりや、生理痛や、便秘症やのぼせ感まで消失することがあります。

皮膚の血流がよくなると、顔のシミ、吹き出物もよくなることが多いようです。美肌効果もあるため、年齢が若くみられたり、お化粧ののりもよくなることを実感している人がほとんどです。まさに驚くべき効果です。

また、漢方薬には体の抵抗力を強くする薬が多くあります。漢方薬を飲み続けている人は、高齢者も多いのですが、不思議なことに風邪をひきません。まれにひいたとしても、軽症でおわります。

また、病気が続いて、虚弱体質が疑われる子供たちも、漢方薬を飲みだしてから、病気になることがぐっと少なくなりました。漢方薬の中には、人の免疫細胞を賦活化し、腫瘍に対する抵抗性を増すことが証明されているものがあり、代表的なものに「補中益気湯」、「十全大補湯」などがあげられます。患者さんの身体を強くし、風邪や癌と戦う力をつけることもできるのです。

また、精力の減退や視力の低下など、年齢を増すと共に自然に多くなる、いわば老化に伴ういろんな症状についても有効です。これらの症状の中には、もともと客観的な測定データとして判定できず、患者さん自身の症状の程度が指標になることが多いのですが、将来的には西洋医学に即したわかりやすいデータを示していく必要があると思われます。


漢方薬に対する誤解、正しい理解を
漢方薬に対しては、医師も含めて多くの誤解をもっている人が多いようです。とくに大きな誤解と思われる点を3つあげます。

第一の誤解は、漢方薬は効かないと思っている方がみえることです。これは西洋医学を自負する医師に大勢います。

たしかに、西洋医学の外科手術や、内視鏡を用いた潰瘍の上血術や、心筋梗塞の時に行う冠動脈(心臓に栄養や酸素を送る動脈)のカテーテルによる血管拡張術などにみられる、劇的な効果は漢方にはありません。

漢方が1964年まで保険適用になっていなかったのは、治療の有効性が認められなかったためです。しかし、多くの漢方医の努力がみのり、漢方ブームとなりました。実験的うらづけもとられるようになって、医師の多くが漢方薬を使用するようになりました。

ところで、最近また漢方薬の有効性について疑間が投げかけられており、再調査が行なわれつつあるところです。そのため、漢方薬の有効性を科学的に証明しようという動きも盛んです。

「小柴胡湯」は慢性肝炎から肝硬変に進む確率を、約1/8に下げたという報告がありました。それを聞いて漢方を知らなかった医師たちも、「小柴胡湯」を使用するようになりました。

漢方薬の有効性を信じていない方々は、漢方薬を経験したことがない、食わず嫌いの方にみられるようです。これは明らかな間違いであり、効かないと思っている方は、ぜひ一度、漢方薬を体験していただきたいと思います。

第二の誤解は漢方薬は長期間服用しないと効果が無いと思っている人が多いことです。風邪の代表的な処方は「葛根湯」ですが、風邪にかかったかなという時期に使用すると、体から発汗させ、解熱作用があって早期に症状を改善します。

また、免疫機能を高めることでしられている「補中益気湯」や「十全大補湯」は、体力が低下している時に使用すると、たちまちのうちに食欲を増進させて、体力を回復させます。中には徐々に改善して、ゆっくり効果をあらわす場合もあります。

たとえば、小児の虚弱体質に「柴胡桂枝湯」を用いると、疲れやすい体質を徐々に改善し、喘息患者さんの発作を予防したり、食欲も増して、風邪もひきにくい体質に変えていきます。ですから、漢方薬も内服を開始すれば、二週間以内で効果を自覚する薬がほとんどです。第2の誤解は漢方薬には副作用がないと思っている方が多いことがあげられます。

しかし、どんな薬にも副作用があるように、漢方においても例外はありません。たとえば、厚生省からは、「小柴胡湯」の副作用について警告が出されています。

この「小柴胡湯」は、肝臓の炎症を抑制して、肝機能を正常化する薬としてよく効くとされており、多くの医師が慢性肝炎の患者さんに処方していました。ところが一部の患者さんに間質性肺炎の合併症が起こり、死亡した患者さんが出たという報告が入ったのです。

これにより漢方の中でも「小柴胡湯」だけが副作用のある薬としてクローズアップされてしまいましたが、「小柴胡湯」に限らず薬によっては体質に合わなければ多少の副作用は出るものです。

その他にも「夜(この漢字は違う)苓飲合半夏厚朴湯」や「柴胡桂枝乾姜湯」による薬剤性肝障害が日本消化器病学会誌に報告されていました。これらの副作用の機序は生薬に対するアレルギーでした。ただし、これらはごくまれなケースですから、ほとんど心配はいりません。

また、薬が効いてから、よくなる前に、身体の中の悪いものが出ることにより、悪化したような症状になること(瞑眩、あるいは好転反応という)もあります。

しかしこれについては、副作用なのか、瞑眩なのかを正しく判断するのは難しいことですが、しばらくその薬を続けているうちに、すっかりよくなったというケースも多くあります。

この時期の判断は専門医でも難しいものですから、患者さんが自分で判断して服用を中止したりせず、すぐに担当医に相談するべきです。大切なことは、漢方薬のよく効く症状に併せて使用して、自然な回復力を高める力を上手に使うことなのです。


漢方薬の特徴と使用上の注意点
漢方薬には2000年の歴史があり、奈良。正倉院を訪れたことのある方はご存知のように、宝物と一緒に肉桂、厚朴、大黄、人参などの生薬が保存されています。漢方薬はさまざまな生薬が配合されて処方されます。

比較的マイルドな漢方薬の作用
漢方薬は天然の草根木皮、動物、鉱石などの生薬成分を配合した多成分系製剤です。漢方薬は体の部分的な症状だけを改善するのではなく、体全体からその症状を捉え、自然治癒力を引き出し、不調をきたしている状態を改善することにその目的があります。

したがって、慢性的な冷えがある胃腸虚弱の場合では、冷えを治すための全身的な血行の改善、胃腸を丈夫にして気の流れを改善、さらに食欲の改善などの効果を期待して処方されています。

市販されている漢方薬は、エキス剤、丸剤、散剤などがありますが、もともとは煎じて服用する薬です。漢方薬局や東洋医学を標榜している施設では、煎薬が処方されているようですが、煎じ方が異なったりすると作用がうまく出なかったりすることもあるため、一般薬では飲みやすい剤形にしてあります。

漢方薬の作用は比較的マイルドで、胃への負担も小さく、食事が吸収に影響をきたすことが多いため、食前または食間の服用を指示されているものがほとんどです。

漢方薬の特徴を簡単にまとめると以下のようになります。
(1)多数の生薬を組み合わせて、複合的な効果を発揮します。
(2)漢方薬には煎薬と漢方エキス製剤があります。だいたいの方は漢方エキス製剤を服用しています。
(3)漢方薬は長期にわたり服用するものとされていて、身体症状に以前と違い何らかの改善があれば処方が合っているとみなされます。

副作用にも注意したい
作用はマイルドだといっても、生薬にもさまざまな副作用があります。生薬の中でも、特に注意の必要な成分は麻黄、甘草、人参、地黄、附子です。

麻黄では心悸尤進、血圧の上昇、興奮、不眠などが見られることから、心疾患、高血圧、甲状腺機能克進症の人は注意してください。

甘草では、主成分でもある抗炎症作用を持つグリチルリチン酸によって、偽アルドステロン症(浮腫、低カリウム血症、高血圧など)を引き起こすことが報告されています。したがって、腎障害、心疾患、高血圧の人では注意が必要です。

附子は体を温め、痺れをとるのに有効ですが、冷えのない人、胃酸を抑制する薬剤を服用している人では、作用が増強されてのぼせやほてり、熱感などが現れたりします。

地黄は胃腸が虚弱の人、人参は高血圧やむくみのある人には注意が必要です。


Q 民間薬とはどのように違うのですか?
A 民間薬は生薬を使用する点では漢方薬と似ていますが、生薬を1種類だけ使うことが多く、分量や使用方法などにも決まりはありません。

下痢止めのゲンノショウコ、便秘や皮膚疾患に用いるドクダミなど、昔からの経験による生活の知恵のような薬であるといえます。

生薬には、漢方薬と民間薬の両方で使われるものもありますが、ドクダミなどのように民間薬のみで使われるものや、柴胡や麻黄などの漢方薬のみで使われるものもあります。

Q 漢方薬に健康保険は使えますか?
A 漢方薬にも西洋薬と同じように、「一般用漢方製剤」と「医療用漢方製剤」があります。

「一般用漢方製剤」は医師の処方せんなしで薬局やドラッグストアで購入することができますが、市販薬なので健康保険は適用されません。

「医療用漢方製剤」は医師の処方により使われる漢方薬で、他の医療用医薬品と同様に医師の処方せんを保険薬局に持って行くことで入手でき、健康保険が適用となります。漢方製剤には、「湯剤」「散剤」「丸剤」「エキス剤」などの種類がありますが、現在使われている医療用漢方製剤の多くは、顆粒状のエキス剤です。

これは、生薬を煎じた液を濃縮したものを乾燥させ顆粒状にした薬です。顆粒状のエキス剤は煎じる手間がかからないため、簡単に飲めるようになりました。また、品質の保持に優れていることや携帯しやすいといった特長があります。