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風邪薬の多成分配合は危険!症状に合わせて安いものを買う

風邪薬の多成分配合は危険!症状に合わせて安いものを買う

誰もが気になる風邪薬のお話です。
風邪薬というものは実は存在しないとか、本当の風邪薬を作ったらノーベル賞ものだとかのうわさ話のひとつやふたつを耳にしたことがある人もいると思います。

そしてなにより、薬局にうずたかく積み上げられた風邪薬コーナーの圧倒的物量に、もはや何を買って良いのか判断できる人はなかなかおらず、その違いもまたよくわからない…というのが、風邪薬に対する印象ではないでしょうか?

ほんとうに効く風邪薬は存在しない?
現在、我々が享受している西洋医学は、抗生物質ありきといっても過言ではありません。

何が言いたいかというと、体に入れると細菌だけを殺してくれる抗生剤は、かつて人々を致死に追いやった疫病、結核、コレラ、赤痢といった感染症を一発で治し、今や恐るるに足りない病気にしました(耐性菌の話とかは、ここではおいときましょう)。

そして、外傷や外科手術にと、感染症を抑えることでさまざまな医療が可能になったわけです。

そんな細菌に万能な抗生剤ですが、あくまで細菌を殺す薬なわけで、細菌ではない病原体、ウイルスにはまったく効果がありません。そして大部分の風邪というのは、ウイルス感染症です。

「ウイルス感染症なら、インフルエンザみたいに予防接種ができるじゃない」となりそうなのですが、そもそも風邪はあらゆるウイルスの初期症状にすぎません。コロナウイルス、ライノウイルス、それぞれに数百の型があり、さらに複合感染であったりして組み合わせは無限大。

そんな膨大な量のウイルスに対するワクチンなんか用意できないし、しかも致死性でもないウイルスにそんな無駄な開発はしていられないし…という理由で風邪のワクチンは存在しないわけです。決して作れないわけではないのです。

致死性ではない……つまり風邪にかかっても人はだいたい死なないので、あくまで不快な症状を抑えれば自然に治る、これが市販の風邪薬のコンセプトです。

要するに対症療法、QOL(生活の質改善のための薬)つまり治療薬ではなく、対症状薬なわけです。

ちなみにインフルエンザはかかるとしっかりと死亡者が出る、死に至る病ですから別格です。現代でももちろん死亡する場合もありますので、風邪の上位版みたいに考えるのは甘いですよ。予防注射を受けられる体力がある人は、受けておいたほうが良いでしょう。


ほとんどのかぜはウィルス感染
鼻やのどなどの上気道に起こる、急性のカタル性の炎症を、おおまかにかぜと呼んでいます。かぜのほとんどはウィルスが引き起こすものです。皆さんもご存知のインフルエンザウィルスはその1つですが、それよりも頻度として高いのは、ライノウィルス、アデノウィルス、コロナウィルスなどです。

ウィルスの侵入によりかぜ症状である、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、のどの痛み、咳、痰、だるさなどに加え、発熱、頭痛などの全身症状などが伴ったものが現れてくることになります。

ウィルスの種類によっては、下痢、腹痛を伴う消化管症状を呈する場合や、筋肉痛、関節痛などを引き起こす場合もあります。また、上気道の炎症が声帯を越えて気管支へ到達すると気管支炎を併発するほか、ひいては肺炎を引き起こす原因になります。

かぜの原因はそのほとんどがウィルスですから、かぜ症状はそのウィルスと体との闘いの現れと解釈できます。

しかし、我慢できない症状を和らげるのに、かぜの諸症状に対する成分が複数配合されている総合かぜ薬で早めに対処することは、体のためにも効果的であると思われます。ただし、ウィルスを退治する薬はまだありませんので、対症療法となります。


かぜ薬で気をつけたいこと
かぜ症状は体の冷え、周囲の空気の乾燥、疲労、睡眠不足などのさまざまな原因によって気道の働きが衰え、かぜの引き金を引く種々のウィルスの侵入を許してしまうことから始まります。

このとき、かぜのひき始めの症状である、咳、痰、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどが起こりますから、熱を測ってみることが大切です。幸い初期症状のみで、高熱もなく、食欲もあるのであれば、総合かぜ薬がもっとも得意とする守備範囲ですのでこれを飲み、予防対策と体の養生をすればすぐによくなると思われます。

しかし、高熱、食欲減退、激しい下痢、嘔吐などを伴うような場合には、早めに医師に診察してもらうことが大切です。最近、セルフメディケーションという言葉がよく聞かれるようになりましたが、これは完治するまで薬局で買える一般薬に頼るなどということではありません。

先ほどのような場合は、総合かぜ薬の限界を超えており、脱水症状、脳症などの合併、気管支炎の合併なども予想され、ともすれば全身管理を余儀なくされてしまう可能性があります。一般薬によるセルフメディケーションで2~3日たっても症状の改善が見られないような場合には、早めに医師の診察を受けることが大切です。

一方、ぜんそく、心臓病などの既往歴のある方、お年寄り、子ども、妊産婦の方は、かぜをひいたときは一般薬には頼らず、医師の診察を受けるほうが賢明です。心肺機能が基本的に低下しているお年寄りや、ぜんそくなどの慢性呼吸器疾患の方は、肺機能の低下によって呼吸困難に陥りやすいほか、肺炎の併発を招きやすいと考えられるからです。

また、子どもでは薬用量のきめ細かな設定が必要となるほか、長期の高熱が脳などへ与える影響が懸念されます。妊産婦ではかぜをこじらせると、医薬品を使わざるをえない状況になりますが、その場合に胎児への影響や、母乳へ薬物が移行すれば赤ちゃんにも影響を及ぼす恐れもあります。

したがって、この場合にも早めにかかりつけの病院を受診して医師の指示を仰ぐことが必要です。このほか、高血圧などの心疾患の方も、かぜをひくことによって状態の悪化を招きかねませんので、早めに医師の受診をお勧めします。


子どもには小児用に工夫されたものを使う
気をつけていただきたいのは、「小児用」と書かれている薬剤の使い方です。子どものかぜの場合には、一般薬で対応するのは1日程度にとどめ、容態が変わらないのなら、小児科医の診察を優先すべきです。

そして、乳幼児を“小さな大人"扱いして、大人用の薬を量を減らして子どもに与えることは危険ですから、絶対にしてはいけません。
また、1歳未満にかぜ薬は飲ませてはいけません。

小児用総合かぜ薬は、飲みやすい味のものや、カフェインが配合されていないもの、外用で使用するものなどが用意されています。

(1)水なしで飲めるように剤形を工夫したものたとえば、こどもストナサット(佐藤)など。

(2)矯味(味つけ)など味に工夫したもの。イチゴ味のもの たとえば、浅田飴小児用かぜシロップ(浅田飴)、アルペンこどもかぜ薬細粒(ライオン)、宇津こどもかぜシロップL(宇津救命丸)など。
・チョコレート味のもの たとえば、アルペンこどもかぜシロップ(ライオン)など。
・フルーツ味のもの たとえば、アネトンシロップ小児用(ファイザー)など。
・ピーチ味のもの たとえば、アルペンFこどもかぜシロップ(ライオン)など。
・バナナ味のもの たとえば、浅田飴子供せきどめドロップ(浅田飴)など。

(3)配合剤を工夫してカフェインの入っていないもの
たとえば、アナクールNシロップ小児用(日水)など。
不明なことは薬剤師に確認してください。


いったい、どれを買えばいい?
ここまで来て言うのもなんですが、実はどれでも効果は変わりません。
不快症状が頭痛なのか、鼻づまりなのか、湿性の咳(疲がからんだゼロゼロ言う咳)なのか、乾性の咳(乾いた咳)なのかに合わせて、一番安いのを買えば十分です。

ブランドとか、絶妙な配合なども特にありません
。実際に医師にかかっても、処方されるのは大半がPL穎粒という非ピリン系の総合感冒薬程度で、中身は、市販薬に毛が生えた程度のもの。

抗炎症剤
炎症と、それによる痛みを抑える成分で、単品だと頭痛薬や痛み止めに使われます。

主な成分:アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、エテンザミド、メフェナム酸、イソプロピルアンチピリン、スルピリン、ロキソプロフェン、塩化リゾチーム、トラネキサム酸

抗ヒスタミン剤
風邪薬に使用される医薬品は古い成分が多く、眠気が強くなるものが多いため、それを打ち消すためにカフェインが入れられることも多い。

主な成分:メチレンジサリチル酸、フロメタジン、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クレマスチン、メキタジン、マレイン酸力ルビノキサミン


鎮咳・気管拡張剤
エフェドリン以外の医薬品は眠気成分になるので、市販薬ではエフェドリン類が好んで使われますが、効果としてはデキストロメトルファンの方が優秀。

主な成分:ジヒドロコデイン、デキストロメトルファン、ノスカピン、エフェドリン、メチルエフェドリン

去痰剤
咳が起きる元になる神経の興奮を抑える薬で、副作用はほとんどないわりに良く効く成分です。

主な成分:グアイフェネシン、ブロムヘキシン、カルポシステイン、アンブロキソール

むしろオススメしない風邪薬という点では、やたらと成分が多いものは要注意。

ありとあらゆる症状を緩和させようと、先に述べたもの以外に市販薬に入れることができる成分をやたらめったら詰め込んだ風邪薬は、無駄に配合された成分同士がケンカしあって、風邪を治すどころか悪化させかねないものも多く、オススメできるとは到底言えません。

薬の箱の裏を見て、3~4行にまたがる成分が記されている大量配合は、下手な鉄砲なんとやら。決して優秀なガンマンではありません。そんなポンクラ用心棒は願い下げです。

風邪で大事なのは、1に養生、2に養生です。栄養をしっかりとって、ゆっくり休んで、早く直すのが先決。ずるずると風邪薬を飲み続けて一進一退を続けて、仕事のパフォーマンスを落とすくらいなら、ガッと休んで健康を取り戻してからがんばって取り戻せばいいんです。


最後に大切なアドバイスです
皆さん意外と見落としがちなことですが、ふだん医師から処方されている薬を服用しているにもかかわらず、一般薬を医師、薬剤師に相談なく併用することは非常に危険なことです。

特に総合かぜ薬では多くの成分が配合されているため、さまざまな薬物相互作用が起こる可能性があるからです。

かぜの治療はもとより、思わぬ薬の副作用に見舞われることもありますから、受診の際に服用している一般薬を医師に告げるか、薬局で一般薬を購入する際には医師から処方されている薬を告げることを厳守しましょう。