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くすりの飲み合わせや飲み忘れたときの対処法

くすりとくすりの飲み合わせについて

2種類以上の薬を同時に飲んだ場合、一方の薬の効き目や副作用が、通常より強くなりすぎたり弱くなりすぎたりする場合があります。このような薬の飲み合わせのことを専門用語で「薬物相互作用」といいます。

少し前になりますが、「副作用死者14人に皮膚病薬ソリブジン、抗癌剤との併用投与、発売から1カ月で」という見出しで、相互作用による死亡事故が新聞紙上で報じられ、大きな話題になったことがありました。これは抗ウイルス薬のソリブジンと抗癌剤の飲み合わせにより、ソリブジンが抗癌剤の代謝を抑え、体の中の抗癌剤の濃度が10倍以上に増えてしまい、抗癌剤の副作用が強く出た結果起こりました。このため、ソリブジンは発売中止になりました。

このように恐ろしい結果を招く相互作用は特別ですが、飲み合わせによっては、薬の作用や副作用が通常より大きくなったり、反対に薬が効かなくなったりすることがあります。

たとえば、最近発売された抗癌剤ティーエスワンは、これまでよく使われていた他のフッ化ピリミジン系の抗癌剤と併用するとその薬の排泄が低下し、骨髄抑制などの重篤な副作用が発現します。そのためティーエスワンに薬が変更された患者さんには、これまでどんな薬を服用してきたか、服用し終わって何日経過しているか、残薬はないかなどを入念にチェックする必要があります。

また、骨粗穣症に使われるビタミンK剤のグラケーは、血栓予防に用いるワーファリンという薬の作用を抑えるので、同時に服用するとワーファリンCの効果が弱まって血栓症を起こす危険があります。私たちの薬局では、問題となる相互作用を起こす可能性のある薬の組み合わせを、薬剤師がチェックし、問題となる相互作用が考えられる場合には処方医に照会し、他の薬に変更したり、時間をずらして服用していただくなどの方法で相互作用が起こらないようにしています。

相互作用による事故を防ぐために、2カ所以上の医療機関にかかるときは、大衆薬を含めて、かならず今服用している薬を持っていってください。あるいは、お薬手帳に薬の内容や今までに起こった副作用などを記入してもらい、診察時に医師に見せるか、処方せんを出す薬局に見せてください。

また、症状が同じだからといつて他人に薬をもらって服用するようなことは絶対にやめましよう。

くすりを飲み忘れたとき
薬によって飲み忘れた時の対応が異なることがあるので、あらかじめ医師や薬剤師に確認しておきましょう。
一般的には、薬は飲み忘れに気がついた時点で服用することが基本になります。ただし、次の服用時間が間近な場合は、そのまま薬を飲まずに次の服用時間に1回分の薬を飲むようにしてください。この時、2回分をまとめて飲んではいけません。なぜなら、薬の血中濃度が上がりすぎて副作用が出やすくなるためです。

服用時間がずれてしまった場合、次の服用時間までどのくらい時間をあければよいかということですが、1日に何回服用する薬かによって異なります。大体の目安は以下の通りです。
1日3回服用の場合…次回服用までは、4時間以上あける
1日2回服用の場合‥次回服用までは、5時間以上あける
1日1回服用の場合…次回服用までは、8時間以上あける


食後に服用する薬の飲み忘れに気がついたとき、とくに医師や薬剤師から指示が出ていなければ、空腹時に飲んでもさしつかえありません。ただし、胃を荒らすおそれのある解熱鎮痛消炎剤などは食後のほうが良いでしょう。

食事に影響を受ける薬として、空腹時だと吸収が悪くなる薬(高脂血症用薬のエパデールや抗真菌薬のイトリゾール、骨粗柩症治療薬のグラケーなど)は、食後すぐ飲む必要があります。 一方、空腹時でないと薬効を十分に発揮できない骨粗柩症治療薬(ベネツト、ボナロンなど)は、起床時服用と決められており、飲み忘れに気づいた時点で飲食していた場合、その日の分は飲まないという対処をします。

また、糖尿病用薬のベイスン、グルコバイは食後の血糖上昇を抑えるため、食事の直前でなければ効果がありません。その他の糖尿病用薬も低血糖を防ぐために「食直前」や「食後すぐ」など指示された時間に飲む必要があります。

このように薬の性質や、患者さんの病状などによって、飲み忘れの対処が異なる場合がありますので、度医師や薬剤師に確認しておくと安心です。

普段からきちんと服用できていて、たまに飲み忘れる程度ならほとんど問題はありませんが、飲み忘れが多い場合には、治療に影響が出るので改善策が必要です。飲み忘れしやすい時間帯がある方や、生活環境、勤務状況で時間通り服用できない方は、医師や薬剤師にご相談ください。