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麻酔は手術で4種類を使用しており危険性は大きい

麻酔は手術で4種類を使用しており危険性は大きい
麻酔の種類と選択
手術に先駆けて麻酔をします。麻酔は大きく、局所麻酔、静脈麻酔、腰椎麻酔、気道麻酔の4つに分けられます。

これらは手術の場所・大きさ・所要時間によって選択されます。小さな範囲の手術の場合は局所麻酔、そして下腹部から下半身の疾患で、1時間以内で終わる手術であれば腰椎麻酔が選択されます。

また骨折の整復などには、短時間有効な静脈麻酔が使われます。そして、ほとんどの大きな手術については、気道麻酔が使われます。

気道麻酔とは、口の中から肺に向かう気管の中に管を挿入し、麻酔器に繋げて麻酔ガスを送る方法です。気管内挿管しないでマスクで麻酔ガスをかいでいただくこともあります。ガスが体内に蓄積して、ある濃度に達すると意識がなくなり、痛みに反応しなくなります。

しかしこの気道麻酔だけでは麻酔器に反したバッキングという咳き込む運動が起こり、自発呼吸がみられたり、また血管や神経や臓器が小刻みに震えたりします。

すると術野が大きく乱れ、細かい手術ができなくなったりします。また筋肉全体が緊張しているために適当な術野が拡げられない難点も出てきます。それらを防ぐために筋肉弛緩剤を使うのです。

筋肉弛緩剤は、文字通り筋肉を弛緩させて、体の自由を奪ってしまう薬です。呼吸や骨格筋を動かなくして、手術をやりやすくする薬です。心筋には作用が働かないので心臓が止まることはありません。


麻酔の危険性
麻酔器の酸素と笑気を間違えて、患者さんが死亡するという事故が1年に1回は新間に載っていました。

医者になって麻酔の研修を始めるのですが、「手術では滅多に死なないけれど、麻酔ではよく死ぬから気を付ける」といきなり言われたりしますが、勿論これは脅しの言葉で、麻酔をかける時の危険性を教え、戒めているのです。

実際に亡くなられる方が多いわけではありませんので、ご心配なく。
当時は麻酔科医が麻酔をかける病院は少なく、手術を担当する科が麻酔も担当していました。

ヒヤッとすることも何度かあります。たとえば、麻酔導入薬を注射した直後から、喘息発作が出現して酸素が十分に行き渡らなかったことや、麻酔導入に伴い患者さんのストレスがとれたせいで、前身の血管が拡張して血圧が30程度まで急激に下がったり、逆に麻酔の濃度は十分であるのにもかかわらす、血圧が200以上になったりというようなこともあります。

全身状態の悪い緊急手術では、不測の事態がよく起こりました。出血性ショックから、脈を触れなくなり、急速輸血を大勢でやったり、腎不全になりそうになって、あわてて急速輸液や利尿剤を投与したり、心筋梗塞を起こしたり、さまざまな不整脈が出現したりしました。

このような事態には、一瞬の処置の遅れが生命に直結するので、ほとんど反射的に判断して、行動しなければなりません。迅速に的確な処置をとれば、全く問題はありません。

しかし、手術前から心不全や呼吸不全のある患者さんは、呼吸器や循環器のちょっとした変化があるだけで、術後の機能不全に陥ることがあります。

特に血圧が低いショック状態の患者さんの場合には、ショックの原因が、輸液や輸血が足りないのか、心臓の機能不全なのか、細菌が体にまわる細菌性のものなのか、アレルギーによるものなのかを判断して処置を行なわなければなりません。

これらの重症患者さんには、強心剤や血圧降下剤や昇圧剤などを手術中に微量点滴したりすることもあり、呼吸循環に関する専門知識が必要です。

麻酔の種類の選択や、麻酔をかける濃度については、手術の部位や内容を考慮して計画をたてます。しかし、施術中に方針を変更しなければならなくなったり、手術の時間が長引くなどの場合は、麻酔の処置も変更しなければなりません。このようなときに、執刀医と麻酔の連携プレーが必要です。

急性虫垂炎は、一般に腰椎麻酔で手術を行ないますが、汎発性腹膜炎の合併や大腸癌が発見されて術式が大きくなる場合には、全身麻酔が必要になります。

麻酔はその導入時、すなわち気管内挿管が上手くできるかどうかが最も大きなポイントです。しかし、麻酔に習熟した医師がいれば、安心して任せられますので心配はいりません。