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塩分摂取が原因で高血圧になる人は1~2%しかいない

塩分摂取が原因で高血圧になる人は1~2%しかいない
塩分摂取量の極端に少ないイヌイット(エスキモー)に高血圧がほとんどいない、塩分摂取量が多い秋田県の人々は、少ない沖縄県の人々より高血圧が多い、という調査結果が知られたことから、塩分は高血圧に関係深いというのが定説になっています。

ところが、こうした疫学的なデータだけで、塩分を多くとると高血圧になると決めつけるのは疑問です。たとえば、同じアメリカ人でも、アングロサクソン(白人)は高血圧が極端に少なく、アフリカ系アメリカ人に高血圧が多いのです。

はたして、塩分摂取量と高血圧には、どんな因果関係があるのでしょうか。
実は、遺伝的な要素が大きく関係していて、遺伝的に、塩をとると血圧が上がる人と、そうではない人がいるのです。食塩を摂取したときの血圧の変動が、人それぞれに異なるのです。

高血圧患者のなかには食塩を摂取すると血圧が上昇しやすく、また減塩や利尿薬投与をするとすぐに血圧が下がる人たちがいます。これを食塩感受性といって、食塩摂取のためになる高血圧を「食塩感受性高血圧」と呼んでいます。

一方、食塩を摂取しても血圧の上昇は軽く、また減塩や利尿薬投与をしても反応しない人たちがいます。こちらは「食塩非感受性高血圧」と呼ばれています。そして実は、後者のほうが多いのです。

つまり、塩分摂取が原因で高血圧になっている人はきわめて少なく、遺伝的に食塩感受性が高く、食塩摂取量が増えると血圧が上がるという人以外は、必要以上に塩分摂取に神経質になる必要はないといえるのです。

塩分摂取が原因で高血圧になる人は、全体の1~2%
食塩に含まれるナトリウムは、体内に水分を保持させる働きをしています。その濃度が高くなると体液が増え、その結果、血管を通る血液の量も増えて血圧が高くなるのは事実です。それで医者は、高血圧患者に減塩を指示します。

しかし、高血圧の原因は食塩の過剰摂取だけではありません。高血圧になった原因が食塩のとり過ぎだという人は、高血圧患者100人のうち、たった1~2人。残りの98~99人は他の理由から高血圧になっていて、減塩しても効果がないという報告があるのです。

実際、医療機関や行政などが減塩指導を始めてから40年以上が経って、日本人の塩の摂取量は大きく減ったというのに、高血圧症患者の数は減っていません。

もし、塩分摂取が高血圧の原因だとしたら、高血圧症患者はずっと減っていなければいけないはずです。だからといって、塩分はとり過ぎていいものではありませんが、性悪説にするほどのものではありません。塩分摂取に神経質になり過ぎると逆にストレスになってしまい、自律神経のバランスを乱して免疫力を低下させ、さまざまな病気を呼び込んでしまうことにもなりかねません。減塩を心がけるなら、ストレスがかからない程度のいい塩梅でやるべきでしょう。

高血圧は本当に悪いのか?
そもそも、高血圧は本当に体に悪いのでしょうか。海外では高齢者は、血圧もコレステロールも高い人のほうが生存率が高いというデータもあるのです。

人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された国際連合の専門機関WHO(世界保健機関)では、80歳を超えて元気な人の血圧は180mg以上だった、という統計データを発表しています。

また、北欧の研究では、80歳で降圧剤を飲んでいない人を対象に5年生存率を見たときに、121~140の血圧の人が最も生存率が低く、180を超えた人たちの生存率が最高、85歳ではそれがより顕著になるというデータがあります。同じように、80歳以上で降圧剤を飲んでいる人と飲んでいない人を比べたところ、飲んでいない人のほうが14%も死亡率が低かったと報告されています。

その理由を考えるとき、なぜキリンの血圧がものすごく高いかを考えるとわかりやすいでしょう。首の長いキリンは、心臓から頭まで2mもあります。それだけの高さに血液を送るために、血圧をものすごく高める必要があるのです。

人間はキリンほど高い血圧は必要ありませんが、それでも心臓から頭のてっぺんまで血液を送るためには、それなりの血圧が必要です。しかし、血管は年齢とともに細くなって硬くなってきます。この状態で、ある程度、脳の血流を一定に保とうとしたら、血圧を上げなければなりません。そのため、高齢者の場合、血圧が高めの人のほうが生存率が高くなるというわけです。

たしかに、血圧が上がると心臓病や脳血管障害のリスクは高まります。しかし、同時に生存率が高まるという事実もあります。人間の死亡率は100%ですから、心臓病や脳血管障害による死亡率を下げれば、がんによる死亡率が上がるのは必然です。