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湿布を使うのはほとんど日本人だけ

誰しも一度は使ったことがある「湿布」

湿布を使うのは日本人だけ筋肉痛の時や、急に腰が傷んだ時、欠かせない存在ですよね。
お年を召した方なんかと一緒に住まわれてる方は、家に一枚はあると思います。

そんな生活に欠かせない湿布ですが、実は筋肉痛の時などに湿布を使うのは、実はほとんど日本人だけ、というのはご存知でしたか?近年はアジアを中心に、痛みを止める目的で湿布を使う人が増えていますが、欧米人のほとんどは、飲み薬やクリームを使って対処しています。

元々、湿布の中でも白いもの(パップ剤)は、紀元前1500年頃のエジプト、エジプト第三王朝メントホーテップ女王時代に登場しています。当時の記録「パピルス・エーベルス」に、パップ剤を意味する言葉が確認されています。

また、「パップ剤」という名前は、オートミールや、小麦粉を水や牛乳などで調理した、粥、あるいは半液状の物質のことを指す、Pap(イギリス、オランダ)、Papp(ドイツ)という言葉から由来しています。近代となると、消炎鎮痛成分を含む膏体を、支持体と共に薄く伸ばしたものが、よく見るパップ剤となって使われているのです。

そしてパップ剤といえば、あの独特の薬の臭い、病院の臭いと例えられるような、くさい臭いですよね。少し昔までのパップ剤はそうした臭いがするのが定番で、パップ剤を良く使うおじいちゃんやおばあちゃんの家も、似たような臭いがしたものでした。実はそういった臭いは、パップ剤に含まれる「ハッカ油」という成分によるものなのです。聞いたことありませんか?

ハッカ油はテレビはインターネットでも、その名前を見たことはある人がいるのではないのでしょうか?お風呂に入れたり、マスクにつけたりして、スーッとした感覚を得られる便利アイテムとして一時期話題になりました。

それもそのはず、このハッカ油には「L-メントール」という、スーッとする成分が含まれています。最近のパップ剤(テープ剤)は、ハッカ油から抽出したこのL-メントールを使用しているので、スーッとはしても、あまり臭くはないのです。

どうです?古代エジプトの時代からあるパップ剤ですが、最近は色々な工夫がされているパップ剤がたくさんあるんですよ。
古くて新しい薬、パップ剤。皆さんも、良かったらどんなパップ剤(テープ剤)があるか、是非探してみて下さいね。


ケガは冷やしても治らない
運動中のケガの捻挫、肉離れ、打撲などの救急処置として「内出血を止め、痛みや腫れを抑えるために冷やして圧迫する」ことが、スポーツ選手の間でも一般の人の間でも、何の疑いもなく常識的に行われています。

湿布や氷やコールドスプレーなどでケガをしたところを冷やすことは、腫れや痛みを抑える、という意味では確かに効果的ですが、短絡的に「腫れが引いた=治った」、「痛みがおさまった=治った」ということにはなりません。

冷やすことは、むしろ身体の持っている自己修復能力、いわゆる自然治癒力の発現を妨害し、治るのを遅らせます。その理由を、筋肉の肉離れを例にとり、その治癒過程を考えながらどうして痛むのか、どうして腫れるのか、内出血はどうなるのか、などを考えてみましょう。

陸上競技やプロ野球などの選手が全力で走っている時、急に太ももの裏側を押さえ、倒れこんでしまう場面をテレビで見たことがあると思います。これが肉離れです。肉離れは筋繊維の一部が切れて、筋繊維が壊れて破壊産物が出来た状態です。壊れた筋繊維を治すためには、まずこれらの破壊産物を処理しなければなりません。そのために白血球を呼び寄せたり、血管を広げたりします。

筋繊維の破壊産物は、血液中の白血球によって処理されます。壊れた筋繊維は役に立たなくなったので、処理してもらうために白血球を呼び寄せるロイコタキシンを周りに広げます。また、白血球を血管外へ移動しやすくするために、ヒスタミンなどの血管を拡張させる物質も同時に放出します。

そして、血管から白血球が出て、肉離れを起こしたところに集まってきます。次に集まってきた白血球が、破壊された筋繊維を処理します。また、同時に壊れた筋繊維を修復するために、コラーゲンなどが集まってきて治します。

このように、ケガをすると身体はケガをしたところの破壊産物をきれいに清掃し、修復します。ケガをしたところの破壊産物や内出血した血液を処理するために血管が広がって腫れたり、白血球が血管の外へ出てケガを治す活動が神経を刺激して痛くなるのです。この腫れや痛みは、ケガを治すための自然治癒力が発揮されているから起こるのです。

したがって、短絡的に「腫れることは悪い、痛むことは悪い、だから冷やして圧迫する」と、自然治癒力のさまたげになるのです。


炎症は防衛反応、冷却治療は禁物
炎症とは、身体の防衛反応なのです。これを冷やして抑えるということは、身体の防衛力を低下させ、自然治癒力をさまたげてしまいます。ケガをしたところを冷やすと、ロイコタキシンなどの白血球を呼び寄せる物質や、ヒスタミンなどの血管を拡張させる物質が働きにくくなってしまいます。

また、冷やすと血管やリンパ管を収縮させてしまい、血行が悪くなり、白血球がケガをしたところに集まるのが遅れ、さらには破壊産物の処理が出来なくなってしまいます。そして、処理されなかった筋繊維の破壊産物が残ってしまうために、修復が遅れ、またそれらが残ったまま修復が行われると、修復部分が大きくしかも固くなり、いわゆる「しこり」となって残ってしまうのです。

よって、ケガをした時の基本的な考え方としては、自然治癒力を最大限に発揮出来るような環境をつくることが必要です。すなわち、ケガをしたところを自然治癒力が発揮しやすい温度にすることです。

ケガをしたところが「熱をもつ」ということは、必要があって適温に温度を上げているので、特に冷やさず、また温めもせず、保温することが大切です。しかし、ただ保温するだけでよいというわけではありません。適切な運動療法も必要です。

捻挫や肉離れや打撲を起こして冷やすもう一つの目的は、「冷やして血管を収縮させ、内出血を抑えるため」という考え方です。しかし、もし冷やさずにそのまま保温した場合はどうなるのでしょうか。毛細血管が破れて内出血が起こっても、約3分で自然治癒により止血します。血管の修復が完了するまでは約1週間です。毛細血管は、このように放置しても約3分で内出血が止まります。これを冷やしてしまうと、内出血が止まるのが遅れてしまいます。

例えば、手の皮膚を包丁などでちょっと切って出血したとき冷やすでしょうか?冷やさなくても約3分間で自然と出血が止まり、1週間もすれば治ってしまいます。ケガをしたときの内出血も程度の差こそあれ、ほとんど同じ経過をたどります。したがって、この場合にも特に冷やす必要はなく、保温でよいのです。

プロ野球の選手がケガをすると、トレーナーが飛んできてコールドスプレーで冷やしているのをよく見ます。一時的に痛みや腫れはおさまってもケガが治るわけではありません。

また、ピッチャーは試合後ケガもしていないのに肘や肩を氷で冷やすことがよくあります。投球のために生じた炎症を抑える目的でしょうが、炎症という防御反応を抑えてしまうのですから、逆効果になってしまいます。一時的には効果があっても長い目でみれば、選手生命を短くしてしまいます。以前は20勝投手や30勝投手がいましたが、最近ではほとんどいなくなってしまいました。これも冷やすことが要因となっているのかもしれません。

それどころか冷やすことでケガをしやすくなったりすることもあります。一日も早く冷やすことの間違いに気付いてほしいものです。


苦痛を鎮めるための薬が、体の自己防御機能まで鎮めてしまう
内服薬ばかりでなく、腰痛、膝痛の湿布などに使われている外用薬(インドメタシンなど)も、経皮吸収により血液から全身に成分が回り、長期間使うと高血圧や不眠、糖尿病などの病気を呼び込むリスクを上げてしまいます。

関節が痛くなって腫れや熱が出てきても、血行がよくなっている証拠だと認識することです。ステロイド剤や催眠剤、安定剤、降圧剤など他の薬についても同じこと。苦痛を鎮めるために使った薬が、体の自己防御機能までも鎮めてしまうことになるのです。

もちろん、西洋医学の薬は病気を治すうえで有効であり、なくてはならないものですが、慢性的に使うのは避けるべきです。どうしてもがまんできないときにだけ、使うようにしましょう。