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医薬情報担当者(MR)の情報次第で患者が救われる

医薬情報担当者(MR)の情報次第で患者が救われる

MRの使命は薬物治療のパートナー
製薬企業の営業パーソンは、商品である医薬品を医療施設に持参して販売していません。製薬企業の営業パーソンである医薬情報担当者(MR:メディカル レプレゼンタテイブ)は、医薬品の有用性や安全性などの情報を医療施設などに伝え、その情報から医師が判断して処方をするのです。

MRが提供する情報は非常に重要です。なぜならば、どのような患者に医薬品を投与し、どのような状態で使用するかによって、効果を発現したり、副作用を発現したりするからです。さまざまな側面を持つ医薬品の販売なので、法律で規制され、高い倫理観を要求されます。

1961年(昭和36年)より国民皆保険が施行され、医薬品業界の規模は拡大しました。
MRはプロパー(プロパガンダの略称)と呼ばれた時代があり、医薬品価格の決定権を持ち、処方権を持つ医師などへさまざまなサービスを提供していたといわれています。

しかし、過大な薬価差が生まれ、サービスの過当競争が起こり、製薬業界のモラルの低下や品位を損なうことまでに事態が発展したため、営業担当者に業界基準を定めたことがMR資格制度の始まりです。1997年よりMRは資格制となり、業界を挙げて取り組んだ結果、現在では「薬物治療のパートナー」として期待されるようになりました。

そもそも、「病気の治療において医薬品は必要不可欠」といつても過言ではありません。

医師、薬剤師、看護師が連携した患者中心のチーム医療の中で、近年、高度化・専門化する医薬品は、より安全によりよい医療につながる情報を必要とされています。「薬物治療のパートナー」とは、患者を満足させるような情報を提供し、医療従事者とともに医療の一端を担い、社会に貢献する役割です。

いままで、MRは患者と接する機会はほとんどありませんでしたが、いくつかの製薬企業では、ある特定の疾患を持つ患者団体を支援したり、社員のボランテイア活動を応援するなど、社会貢献活動の一環として患者との接触に取り組む企業も増えてきました。

今後は、製薬企業を通じてMRが患者と接し、患者の苦しみや喜びなど気持ちを理解できる機会が増えることを期待しています。


文系・理系問わず人気があるMR
MR数の推移
財団法人医薬情報担当者教育センター発行「平成20年度MR白書」によると、MR総数は5万8400人と平成19年度に比べ約2400人増加しました。ここ数年は横ばい状態でしたが、生活習慣病領域製品の宣伝強化や、専門領域MR (がん、リウマチ、中枢神経系など)の増加、ジェネリック医薬品の情報提供活動強化など、各製薬企業の注力する背景があるようです。

増える女性MR
1990年後半ごろより、外資系製薬企業を中心に女性MRの積極採用が始まったこともあり、男性MRに比べると約6900名と少ないものの、全女性MRのうち84%が20代です。情報提供や気遣いの細やかさから、顧客である医療従事者からも評判が高くなってきました。

MRの半数は文系
医薬品を取り扱うという性格上、MRは薬剤師を中心とした理系が多いと思われがちですが、実際は50%以上が文系なのです。むしろ意外と思われるのは、薬剤師がMRの7人に1人しかいないことです。製薬企業に入社後のMR導入教育で、疾患の病態から医療制度など、広く深く医薬品業界について学ぶことになります。

門戸が開かれたMR
MR認定試験の受験資格を得るには、いままで製薬企業またはCSO(MR派遣企業)に所属する必要がありましたが、平成20年よりMR認定試験受験資格が拡大され、一般の社会人へも門戸が開かれました。くわしくは、医薬情報担当者教育センターのホームページを参照してください。


医薬情報担当者(MR)の仕事
医薬情報担当者(MR・Medi-cal Representatives)は、医薬品の適正な使用を促すために医療関係者を訪問することなどにより、安全管理情報を収集し提供することを主な業務とする。

MRの仕事は、医療機関を訪問して、自社の医療用医薬品に関連する医薬情報を、医師・歯科医師、薬剤師などの医療関係者に提供し、医薬品の適正な使用と普及を図ることである。そこには、医療機関で使用された医薬品の有効性や安全性に関する情報を収集することも含まれる。

つまり、MRは医療用医薬品を売ることだけを仕事としているわけではない。社会の一員として、医薬品の適正使用のための情報の提供・収集・伝達をすることと、企業の一員として自社医薬品の普及を図ることの2つの役割が期待されている。

医薬情報担当者(MR)になるには
MRになるには、大学を卒業して、医薬品企業へ就職することが必要になる。 医薬品企業に就職した後は、およそ半年間、MRになるための教育を受けることになる。その教育研修を修了し、認定を受けることによって、MR認定試験の受験資格が生まれる。

MR認定試験では、①疾病と治療、②薬理学、③薬剤学、④医薬概論、⑤PMS(製造販売後調査)、⑥添付文書の6科目の試験が行われる。医師・歯科医師、薬剤師の資格を有するものは、①?③の科目が免除され、残り3科目の試験が行われる。

さらにMR認定試験の合格者には、150時間の実務教育と6か月の実務経験を修了した後に、申請に基づきMR認定証が交付され、MRとなることができる。したがって、大学を卒業して医薬品企業に入社しても、すぐにMRになれるわけではない。

営業担当者(MS)の仕事
MSとは、Marketing Specialistの略で、医薬品卸売企業の営業担当者のことをいいます。医薬品企業の医薬情報担当者(MR)、学術部門、プロダクトマネジャーなどと接する機会の多い職種になります。

日本国内の、医薬品情報を届ける必要のある病院、診療所、調剤薬局などの医療施設は15万軒を超えています。そのため、このすべての医療機関を、限られた数の医薬品しか取り扱わない各医薬品企業のMRが回ることは不可能です。

それに対して、医薬品卸売企業は、医療用医薬品だけを見ても、1社あたり1400品目もの製品を取り扱っています。加えて、その取引先も1社あたり、病院で600軒以上、診療所で4000軒以上、薬局で2000軒以上というのが一般的です。

このようにMSは多くの医薬品を取り扱い、多くの医療機関を訪問しているため、医療用医薬品の商的流通機能と情報機能を担っているといえます。

つまり、MSは医療機関に対して、医療用医薬品を納入する仕事だけではなく、医薬品情報の提供という仕事も行っているのです。そして最大の仕事は、医薬品の医療機関への納入価格を決定することであり、これはMRにはできません。


営業担当者になるには
MSになるには、大学を卒業して、医薬品卸売企業へと就職することが一般的です。大学における専門分野は特に問われることはなく、会社にもよりますが、入社学生に占める割合は文科系学部卒業生の割合が高いです。

一方、薬学部を卒業後、医薬品卸売企業へと就職した場合は、MSではなく、医薬品情報の収集管理と社内外への情報発信や教育、薬事法に基づいた医薬品の情理など、薬剤師にしかできない仕事を担当することになります。
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