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医薬品流通の3つの機能を利用して患者の元へ薬が届く

医薬品流通の3つの機能を利用して患者の元へ薬が届く

医薬品の特性に対応するための医薬品流通の3つの機能
医薬品流通は3つの機能を持つ
医薬品には「生命関連性」や「安定供給・使用の緊急性」などの特性があり、医薬品の流通を担う卸・特約店は重要な責務を担っています。
大きく分けると、物流、販売、情報の3つの機能を持っています。

物流機能:集荷、保管、受注、小分、配送、品質管理、販売機能、価格設定、販売促進、適正使用推進、コンサルティング
情報機能:ドラッグインフォメーション(DI)

物流機能
製薬企業から出荷された医薬品は、医薬品卸の配送センターや営業所に保管されます。
温度変化や光に弱い医薬品、麻薬など法的に厳重な管理が必要な医薬品なども存在します。

医薬品卸は日本全国にある医療施設から受注し、定期配送や至急配送など、医療施設のニーズに合わせて全国に運んでいます。
最近では、SPD と呼ばれる、病院内の医薬品や医療材料などの購買・供給・搬送等の一元管理を行なう卸も増えてきました。

販売機能
医療施設に対して医薬品の納入価を個別に設定し、製薬企業と協力し合いながら販売や納品を行なっています。新製品発売時などは、MRとMSと密に情報を交換しながら、新規採用活動を行なったり、医薬品の適正使用情報などを伝達したりしています。

最近では、医院や保険薬局へ経営に関するコンサルティングを行なうこともあります。
医薬品卸の顧客として医療施設が挙げられます。医療施設を大別すると、大病院、中小病院、医院(診療所)、保険薬局となり、各施設へ医薬品を受注・納品しています。

情報機能
医薬品卸には、製薬企業とともに医薬品情報の提供。収集に関して、法的に義務化されています。MSは医療施設(とくに医院・保険薬局) への訪問頻度が、一般的にはMRよりも高いために、医薬品に関する安全性情報などを伝達。収集しやすい立場です。

また、各医薬品卸は、DIセンターを持っているので、医薬品の基本的な使い方や一般的な医薬品情報に関しては、公平な立場で医薬品を見ることができ、幅広い知識を必要とされます。


複雑な医薬品流通には専門卸が必要
ただ「運ぶ」だけではない
商品を扱ううえで、その商品を消費者に届けなければ商売が成り立ちません。医薬品の場合、医薬品卸(特約店)が流通を担います。
医薬品卸109社(2009年9月19日現在)が加盟する「日本医薬品卸業連合会」によると、次のように医薬品流通の特質が定義されています

(1)品質や有効性・安全性を確保すること
(2)安全かつ安定的供給を行うこと
(3)多種多様性に対応すること
(4)専門的知識・能力をもつこと
(5)医薬品情報をともなうこと
(6)迅速・的確に供給すること
(7)経済的・効率的に供給すること

医薬品は「モノ」としての性質と「情報」としての性質を併せ持っています。そのため、医薬品の流通に関しても、この両者を「運ぶ」ことになるわけです。

このようなことから、一般的な商品を扱う運送業者と違い、医薬品の流通は専門の医薬品卸(特約店)が必要になるわけです。

医療用医薬品は、製薬企業から出荷され、医薬品卸を通じて、日本全国の病院・医院・保険薬局へ販売されます。一方、代金や費用に関しては審査支払機関や保険者も加わります。

医療施設では、患者に対して納入した医薬品の処方や調剤を行ないますが、代金は保険請求後に入金される仕組みなので、卸と医療施設の間には代金回収に数か月のズレが存在することが一般的です。

このように、医薬品の流通ではモノの流れとお金の流れに違いがあります。保険医療施設までの価格は「自由価格」と、請求される代金の「公定価格」が混在するために、複雑であるといわれています。



医薬品は「モノ」と「情報」とに分かれる
「モノ」としての医薬品
「モノ(物質)」としての医薬品とは、工業製品の一種かつ化学物質の一種というとらえ方によるものです。

化学物質には、試薬や農薬、トイレタリー製品、食品添加物などもありますが、そのうち薬事法で定義された物質を医薬品といいます。薬事法とは、医薬品以外にも、医薬部外品、化粧品および医療機器についても記載されている、基本的な法律です。しかし、「モノ」としての存在だけでは医薬品は完全ではありません。医薬品の価値を付与するためには「情報」が必要なのです。

「情報」としての医薬品
医薬品は、正しく使われることによって安全に効果を発揮します。そして、正しく使うためには、「情報」がたいへん重要な意味を持ちます。たとえば、白い錠剤があったとすると、これだけでは、安全な医薬品かどうかはわかりません。

「どの疾患に効くのか」「どのような症状を改善するのか」「どのぐらいの量で、どういう飲み方が効果的なのか」など、その錠剤への「情報」がともなって初めて医薬品として機能するわけです。

また、医師や薬剤師は、患者が指導されたとおりに服用して、しっかり効果があるのか、それとも期待と違う体調の変化が現われていないかという「情報」の判断をします。

その「情報」をもとに、医師は薬の量を加減・変更したり、患者に服用を継続させることによって、医薬品の目的である疾患の治療、または症状の緩和を行なえるのです。

一方、患者の独自の判断で用法や用量を変更したり、ほかの医薬品を追加して服用したりすると、思わぬ副作用などの健康被害も少なくないために、患者からの「情報」もたいへん重要になります。

このように、医薬品が「モノ」としての価値と「情報」としての価値を併せ持って、初めて「医薬品」として成り立つのです。
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