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免疫系の検査数値から病名がわかる一覧表

免疫系の検査数値から病名がわかる一覧表

免疫血清学検査
ASO(ASLO)
【検査の目的】
・赤血球を破壊するストレプトリジンを産生し、高熱や手足の関節痛を起こす病原菌。溶血性連鎖球菌(溶連菌)が知られている。
・ASO(ASLO)は、溶運菌が産生するストレプトリジンに対する抗体をいう。溶連菌に感染すると、防御反応として血清中にASOが出現する。
・溶連菌の中でも特に重要とされるA群溶連菌が感染したときにできる抗体の値を測定し、感染の有無を調べる検査。

〈検査結果からわかること〉
・ASO値は年齢により変動する。
・ASO値と疾患の重症度には関連はない。
・ランツランドル法:基準値の目安は、乳児期100ToddU以下、小児期256ToddU以下、成人166ToddU以下。
・ラテックス法:成人での基準値は、200IU/ml以下。
・感染後1週間以内の急性期と2~ 3週間後のペア血清での検査が望ましい。
・2度目の検査値が1度目の2倍以上あれば、溶連菌感染の疑いが濃厚。
・検査期間に抗生物質や副腎皮質ホルモンを投与していると、ASO値の上昇は低い。

異常値
高値
☆溶連菌感染症:
咽頭炎、扁桃炎、中耳炎、肺炎、膿皮症、丹毒、敗血症、菌血症、産褥熱、狸紅熱。
★ おもな症状:感染後、高値が4~ 6週間持続し、徐々に下降する。二次的にリウマチ熱、急性糸球体腎炎、リウマチ性紫斑病などを引き起こすことがあるので注意を要する。
低値
★125ToddU以下は、無(低)γ ―グロブリン血症が疑われる。


RAテスト
【検査の目的】
・体内に細菌やウイルスなどの異物が侵入すると、免疫グロプリン(lgE、lgA、lgMなど)という抗体が作られる。
・免疫反応システムが正常に働かない場合は、自己抗体が自分のからだを攻撃して、さまざまな症状が現れる。
・膠原病は、自己抗体によって起こる免疫病の代表。
・RAテスト(ラテックス凝集反応)は、膠原病の中で関節リウマチ(RA)を診断する検査。

〈検査結果からわかること〉
●陰性(― )、陽性(+)、強陽性(++)の3段階で、通常は陰性。
●RAHA(赤血球凝集反応)では40倍未満が陰性。
●強陽性だと、関節リウマチの疑いが強い。
●健康な人でも0.3~ 5%の割合で陽性例が見られる。
●高齢者は、陽性率が高率で現れる。
●陽性の場合は、自覚症状のほか、さまざまな検査を組み合わせて病態を把握する。

異常値
☆関節リウマチ:
①約80%が陽性を示すが、発病初期の陽性率は50%程度。
②残り20%は、全経過を通じて陰性を示す。朝の手のこわばり、手首より末梢の関節痛などによって診断される。
③強陽性は悪性関節リウマチの疑い。
☆関節リウマチ以外の膠原病:全身性エリテマトーデス、強皮症(進行性全身性硬化症)、多発性筋炎、シェーグレン症候群など。
☆肝疾患:肝硬変、慢性肝炎など。
★慢性感染症:細菌性心内膜炎、結核、梅毒など。
☆自己免疫疾患:ITP(突発性血小板減少紫斑病)、AIHA(自己免疫性溶血性貧血)など。


HAV(A型肝炎ウイルス)
【検査の目的】
・HAV(A型肝炎ウイルス)は、小型のRNAウイルス。
・HAV感染者の血液や便、あるいは汚染された食物や飲料水の経□摂取により感染する。
・感染すると、2~ 6週間の潜伏期間を経て、肝炎を発症する。
・HAVは便とともに排出されて感染源となる。
・感染源となる食物の代表的なものは貝類。
・A型肝炎感染の有無を知るための検査。

〈検査結果からわかること〉
●HAVの潜伏期の末期に血中、便中にHAV粒子が検出される。
●肝炎症状の発症とともにHAV粒子は減少し、抗体が産生されていく。
●HAV感染に対して産生される抗体は、lgM型、lgG型。
●lgM型HAV抗体:発症後2~ 10日目から陽性化し、20~ 30日でピークに達し、90日以降陰性化する。
●019GttHAV抗体:発症後20~40日目より急激に上昇し、3~ 6
か月をピークに低下。回復しても、陰性化しない。

〈異常値のしくみ〉
★lgM型HAV抗体が陽性:初感染。急性A型肝炎と診断。
★lgG型HAV抗体が陽性、lgM型HAV抗体が陰性:
①A型肝炎の既往歴があり、急性A型肝炎は否定。
②ただし、B型肝炎、C型肝炎の可能性がある

HBV
(B型肝炎ウイルス
【検査の目的】
・HBV(B型肝炎ウイルス)は、肝障害を引き起こすウイルスの1つ。
・感染経路は、血液、性交、経□。
・感染者の10~ 20%に肝炎が慢性化し、肝硬変、肝がんへと移行する。劇症肝炎の70%がB型肝炎ウイルス。
・B型肝炎感染の有無、感染の程度を知るための検査。

〈検査結果からわかること〉
・HBVは外被と芯からなっていて、種々のウイルスマーカーが存在する。
①HBs抗原・抗体系:HB∨の外被を構成している表面タンパクを形成しているのがHBs抗原。HBs抗体は、HBs抗原に対する抗体。
②HBc抗原・抗体系:HBc抗原は、HBVの芯を形成しているもの。HBc抗体は、HBc抗原に対する抗体。検査では、lgG、lgA、lgMのHBc抗体がそれぞれ測定される。
③HBe抗原・抗体系:HBe抗原もHBVの芯を形成しているが、HBV産生の状態で産生され、感染細胞から血中へ分泌される。
HBe抗体は、HBe抗原に対する抗体。
〈異常値のしくみ〉
☆HBs抗原・抗体系が陽性:
①HBV感染患者。現在、感染状態にある。
②HBs抗体は、肝炎が治癒して1~ 2か月後に出現する。
③すでに免疫があり、他人に感染する心配はない。
④HBs抗原が確認されても、抗体が作られない場合は、肝炎症状が現れない(無症候性キャリア)。HBV感染者のうち80~ 90%を占める。
☆HBc抗原・抗体系が陽性:
①低値は既往の感染、高値は感染状態にあることを示す。
②急性B型肝炎では、ほとんが発症時にlgM型H Bc抗体の陽性が認められ、2か月過ぎで陰性化する。
☆HBe抗原・抗体系が陽性:
①HBVの活動が活発。感染力が強い状態を示す。
②HBe抗原が陰性化すると、肝炎は鎮静化し、HBe抗体が出現してくる。
③慢性肝炎では、HBe抗原の陽性からHBe抗体の陽性に転換しておよそ1年間に肝炎は鎮静化する。

HCV
(C型肝炎ウイルス)
【検査の目的】
・C型肝炎は、HCV(C型肝炎ウイルス)の感染によって起こる肝臓の病気。
・HCVは、母子間、注射針やメス、性交などからの感染が認められているが、まだHCV自体について十分に解明されていない。
・感染により血液中に抗体が出現する。
・HCV感染の有無を調べる検査。
〈検査結果からわかること〉
●HCV に感染していると陽性(+)。感染していなければ陰性(- )。
●抗体が血液中に出現するのは、感染後1か月くらいから。
●感染直後の検査では、陰性になることが多い。
●感染の疑いがある場合は、経時的なHCV抗体の測定が必要。
●HCV―RNA(HCV遺伝子)は、感染すると、抗体産生前の感染初期から血中に出現するため、HCV―RNAの検査を行うことで、早期の診断が可能。
OHCV―RNAの検出は、HCV既往かキャリアかの鑑別、インターフェロンによる慢性C型肝炎の治療効果判定にも重要。
(異常値のしくみ〉
★肝障害があり、HCV抗体が陽性の場合:
C型肝炎と診断できる。
☆C型肝炎は慢性化しやすく、10~ 20年かけて進行し、肝硬変や肝がんに移行することが少なくない。
☆C型肝炎によるがんの発生率は、B型肝炎の5倍。
★肝機能に異常がないが、HCV抗体が陽性の場合は、HCV既往かキャリアと考えられる。

ATLV
(成人T細胞白血病ウイルス).
【検査の目的】
・成人T細胞白血病は、HTLV-1(成人T細胞白血病タイプ1型)という、ウイルスの感染によって引き起こされる。
・HTLV-1は、リンパ球DNA中に組み込まれ、プロウイルスとなり、持続感染した後に、ごく一部の人で自血病が発病する。
・成人T細胞白血病(ATL)は、九州南部、四国南部、紀伊半島などの成人に多く発生する疾患。
③感染経路は、母子間の母乳を介しての感染、水平感染(夫から妻への一方向感染)、血液の移入(輸血、臓器移植、注射)などがある。
・HTLV-1に感染すると、ウイルスに対するATLA抗体が出現し、キャリアとなる。
・HTLV-1感染の有無の診断、感染予防のスクリーニングを目的とした検査。

〈検査結果からわかること〉
・陽性は、HTLV-1のキャリアであることを意味し、約2000人に1人の割合で、成人T細胞自血病が発症する。

〈異常値のしくみ〉
☆HTLV‐ 1が直接引き起こす疾患:
①成人T細胞白血病
②T細胞型悪性リンパ腫
③HAM(緩徐進行性対称性ミエロパチー)など。
☆HTLV-1キャリアによる疾患は、免疫機能の低下が起こるために発症する。
☆キャリアに見られるおもな疾患:
慢性肺疾患、慢性腎不全、呼吸器疾患、皮膚疾患、糞線虫症、非特異的リンパ節腫脹などの合併症。
☆キャリアによる疾患も、生命予後を左右する危険因子となる。


HIV
(ヒト免疫不全ウイルス)
【検査の目的】
・HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、1981年にアメリカで発見されたウイルス。
・感染経路は、性行為感染、母子感染のほか、わが国では血液凝固製剤投与による血友病患者への感染も知られている。
・HIVに感染すると、免疫機構が破壊され、やがてエイズを発病して、死に至る。
・エイズは、HIV感染後、数年の潜伏期を経て発病する。
・血清中にHIV抗体ができているかを調べる検査で、エイズの防疫対策に不可欠。

〈検査結果からわかること〉
・検査は正確に判定するために、2段階で行われる。
・HIV抗体の陽性は、ウイルスと抗体が共存していることを意味する。
・スクリーニング検査で2回以上陽性、さらにWEB法やIF法でも陽性となると、HIV感染者と判定。
・HIV抗体が陽性となるのは、HIV感染後、平均6~ 8週。
・一度感染すると終生キャリアとなる。抗体陽性者=キャリアとして対処することが大切。
(異常値のしくみ〉
☆エイズは、免疫機能の低下により起こる症候群のこと。
☆おもな症状:日和見感染(カリニ肺炎、カンジダ症、ヘルペス感染など)、悪性腫瘍(悪性リンパ腫、カポジ肉腫など)、消耗性症候群(体重減少、下痢など)、HIV脳症(痙攣、麻痺など)、精神症状(痴呆など)。
☆エイズに有効な治療薬やワクチンはまだない。
☆発病までの潜伏期間は、2~3年が約10%、5~ 6年が約30%、7~ 8年が約50%。15年以内には全員が発病。

CRP
【検査の目的】
・CRP(C― 反応性タンパク)は、肺炎球菌の一成分であるC分画と反応するタンパク質の一種。
・CRPは、生体内に炎症や組織の損傷・破壊が起こった場合、12~ 24時間以内に血清中に出現する。
・疾患の快方に従って、CRPも速やかに消失する。
・炎症や組織の損傷。破壊の有無、活動性、重症度を調べる検査。病気の経過観察、予後の判定にも不可欠。
・狭心症と心筋梗塞の鑑別に有用。

〈検査結果からわかること〉
・定性法で、沈殿物がないと陰性(-)。沈殿物があると陽性(+)で異常を意味する。
●定性法の基準値は、0.3mg/dl以下。
●陽性(高値)となるのは、感染症、膠原病の活動期における多臓器障害性炎症、虚血性心疾患や悪性腫瘍による組織破壊などがあると考えられる。

異常値
〈強陽性〉
☆おもな疾患:膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、血管炎、皮膚筋炎など)、リウマチ熱、結核、急性細菌感染症、肝硬変、肺梗塞、敗血症、悪性腫瘍、組織壊死など。
☆白血病は上昇しない。
〈弱陽性〉
☆おもな疾患:ウイルス性疾患、急性肝炎、胆石症、脳炎、麻疹、耳下腺炎、内分泌疾患など。
☆ウイルス性疾患や内分泌疾患は、陰性の場合もある。
〈その他〉
☆外傷、手術後、やけどによる組織崩壊、薬物アレルギーなど。


梅毒血清反応
【検査の目的】
・梅毒は、トレポネーマ・パリーズ(スピロヘータ・パリダ)と呼ばれる微生物によって起こる、全身の感染症。
・抗生物質による治療が開始されて、患者数が激減したが、近年、潜在的感染者が増加傾向にある。
・感染経路は、おもに性交。胎盤を通じて母体から胎児に感染することもあり、妊婦検診でも欠かせない検査。

〈検査結果からわかること〉
・検査は、梅毒脂質抗体検査(STS)と梅毒TP抗体検査(TPHA)を組み合わせて行う。
・感染していれば陽性(+)、感染していなければ陰性(-)。
・感染後4~ 6週以前であれば、反応が現れず陰性となることに注意する。
・梅毒感染していないのに陽性と出ることもある(生物学的偽陽性)。
・STSでは、膠原病、肝臓病、水痘、種痘疹、抗リン脂質抗体症候群、妊娠などで生物学的偽陽性が見られる。
・ごくまれに、健常者で陽性を示すこともある。
・陽性になった人は、十分に治療しても、その後も陽性が続くことがある。
・梅毒診断は、社会的な問題も含まれているため、時期を遅らせての再検査や数種類の検査の併用など、慎重に判定することが最重要。
〈異常値のしくみ〉
〈梅毒の進行経路〉
☆第I期梅毒(感染~8週間):最初は無症状。3~ 4週間後から陰部にしこり。近くのリンパ節が腫れる。
★第1期梅毒(8週間~3年):微熱、全身倦怠感、発疹、バラ疹、血疹、膿疹、脱毛、関節炎など。
☆第Ⅲ期梅毒(3年以上):皮膚、骨、肝臓、心臓、血管、中枢神経系にゴム腫ができる。
☆第V期梅毒(10年以上):脳、脊髄などの神経系がおかされてくる。

アレルギー反応検査
【検査の目的】
・病原菌や微生物など、自分のからだと異なる異物を抗原(アレルゲン)という。それに対抗する物質を抗体という。
・抗原がからだへ侵入すると、からだを守ろうと、抗体が作られる。
・いったん抗体ができると、同じ抗原が体内に侵入しても、抵抗性が確保される(抗原抗体反応)。
・抗体が未熟であったり、抗体の産生がコントロールできないと、過剰な抗原抗体反応を起こし、発疹、発熱、ショックなどのアレルギー反応が起こる。
・アレルギー検査は、疾患がアレルギー反応によるものかどうか、また抗原を調べるために用いられる。

〈検査結果からわかること〉
●好酸球検査:アレルギー疾患により、増加する好酸球が、白血球中にどのくらい含まれているかを調べる。
●白血球中の好酸球が5%以下なら基準値内。5%以上は、再検査して判定。
●lgEリスト検査:抗原に反応するlgE(免疫グロブリンE)が血液中にどれくらい含まれているかを調べる。
●lgEがほとんど認められなければ、基準値内。0.0005mg/dl以上では、アレルギー異常と判定。
●皮膚反応検査:原因物質の抗原を特定するために行われる検査。即時型アレルギーを調べる皮内反応テストやスクラッチテスト、遅延型アレルギーを調べるパッチテストなど。
●無反応の場合は、投与した抗原が陰性(-)、皮膚が赤く腫れるなどの反応が出たら陽性(+)と判定。
●皮膚の湿疹がひどくて皮膚で直接テストできない場合は、抗原を結合させた抗体に血液中のlgEを反応させるlgEリスト法により、抗原をつきとめる。
〈異常値のしくみ〉
★アレルギー疾患には、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、薬剤アレルギー、アトピー性皮膚炎などがある。
☆皮膚反応検査で陽性になったアレルゲンが、必ずしも現在の疾患の原因であるとは限らない。
★複数の抗原に陽性反応が出た場合は、要注意。


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