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血液生化学の検査数値から病名がわかる一覧表

血液生化学の検査数値から病名がわかる一覧表

血液生化学検査
血清総タンパク〈TP〉
【検査の目的】
・食物から摂取されたタンパク質は、アミノ酸分解、解毒処理を経て、からだに必要なタンパクに合成される。
・血清総タンパクは、ヒトの血清中のタンパクの総称。
・肝機能や腎機能の障害などによる代謝異常が原因で、タンパク値が変動する。
・血清タンパクの総量を測定し、病態を明らかにする検査


〈検査結果からわかること〉
●基準値は、成人6.4~ 8.0g/dl 、境界値の下限は6.0~ 6.3g/ dl 、上限は8.1~ 8.5g/dl。
●低タンパク血症:6.0g/ dl 以下。
●高タンパク血症:8.5g/ dl以上。
●タンパク値の異常は、体内のタンパクの正常な合成と崩壊の平衡状態に異変が起きていることを意味する。
●血清総タンパクは、年齢や測定条件で異なる。
①年齢:新生児や乳児は、成人より1.5g/ dl程度低い。13~ 14歳で成人値となる。60歳以上は、成人より0.59/配程度低い。
②時間:睡眠中に最低値、夕方に最高値。
③季節:夏は低く、冬は高め。
④体位:仰臥位では、立位より0.6~1.0g/ dl低値を示す。
⑤動脈血は静脈血より0.2~ 0.5g/ dl低値を示す。
〈異常値のしくみ〉
低値
〈低タンパク血症〉
☆おもな疾患:急性肝炎、肝硬変などの肝障害。ネフローゼ症候群、急性腎炎、タンパク漏出性胃腸症、びまん性皮膚炎、熱傷(日焼け)、全身浮腫、胸水・腹水穿刺、甲状腺機能克進症など。
☆その他の原因:栄養摂取不足、腸吸収不全症候群、悪液質、急性感染症、本態性低タンパク血症、慢性消耗性疾患、妊娠、水血症など。
高値
〈高タンパク血症〉
★おもな疾患:慢性肝疾患、慢性感染症、膠原病、悪性腫瘍、本態性高ガンマグロブリン血症、結合織病、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、本態性Mタンパク血症、粘液水腫など。
☆その他の原因:脱水症など、血液が濃縮される疾患でも認められる。


血清クレアチエン
〈Scr)
【検査の目的】
●クレアチエンは、筋肉を構成するタンパクが、エネルギーとして使われた後の最終物質。腎臓の糸球体より濾過されて尿中に排泄される。
●クレアチエンの量は、腎機能を知る指標。
機腎不全患者の透析導入時期の目安にもなる。

〈検査結果からわかること〉
●血清クレアチニン(Scr)値は、筋肉での代謝量と尿へのクレアチニン(Cr)排泄量により決まる。
●筋肉量の多い人は高め、少ない人は低めの値。
●基準値は、男性0.61~ 1.04mg/ dl、女性0.47~0.79mg/ dl 。
●高値は腎障害の存在を示す。
●大量の肉食の摂取により高値となることもある。
●長期臥床で筋肉量が激減している場合、腎機能に異常が見られても、基準範囲になることがある。
●診断は、血液尿素窒素との比などと合わせて行うことが必要。
異常値
高値
おもな疾患:糸球体腎炎、急性腎炎、慢性腎炎、急性腎不全、慢性腎不全、尿毒症、尿細管壊死、前立腺肥大、腎臓結石、腎孟腎炎など。
★慢性腎炎の末期では、10mg/dl以上を示し、人工透析が必要。
★その他の原因:脱水、浮腫、やけど、心不全、ショック、末端肥大症、巨人症など。
低値
☆おもな疾患:筋ジストロフィー、多発性筋炎、糖尿病性腎症初期、妊娠中など。
☆その他の原因:尿崩症、大量輸血、人工透析など。
★血液尿素窒素(B∪ N)と血清クレアチニン(Scr)の比は、生理的状態で約10(10:1)。
*10以上:腎前性腎不全、腎後性腎不全、尿路閉塞など。
*10以下:低タンパク食、肝不全、筋破壊など。
*心不全、高タンパク食、高熱、脱水、消化管出血などによる上昇もある。


尿酸
●尿酸は、細胞の核酸に含まれているプリン体の代謝によって生じる最終産物。大部分は腎臓の糸球体で濾週されて尿中に排泄され、残りは胆汁とともに腸から排泄される。
●1日の尿中への排泄量は400~800mg。血清中での尿酸の飽和濃度は7.0mg/dl。
●尿酸の産生と排泄のバランスが崩れると、尿酸塩の結晶が関節や皮膚に沈着し、激しい痛みを伴う通風発作を生じる。
●尿酸は、腎臓の炎症や、腎臓や尿管の結石の原因となる。
●尿酸の合成・排泄の異常を発見するために欠かせない検査。

〈検査結果からわかること〉
●成人の基準値は、3.0~ 7.0mg/dl 。女性は更年期を過ぎると、男性とほとんど変わらない。
●食事内容、飲酒量、運動量、測定時の体位などによって、0.5~ 1.5mg/dl程度の差が認められる。
●常に8.Omg/dl以上ならば、尿酸結晶の沈着の可能性がある。
●治療対象は、低値よりも高値。
●高値では、関節炎、痛風結石、腎障害、腎結石など痛風症候群の有無を確認する。

異常値
高値
〈高尿酸血症〉
☆おもな疾患:痛風、多血症、白血病、骨髄腫、溶血性貧血、高プリン食摂取、腎機能障害、悪性高血圧、糖尿病、肥満、高脂血症、前立腺肥大、脱水、吸収性アシドーシス、アルコール中毒、妊娠中毒症、利尿剤の服用時など。
低値
〈低尿酸血症〉
★おもな疾患:キサンチン尿症、重症肝障害、低プリン食摂取、家族性低尿酸血症、ウィルソン病、痛風による排泄低下、抗利尿剤の服用時、妊娠など。

総コレステロール
【検査の目的】
・コレステロールは脂肪の一種。脂肪酸と結びついたエステル型と、別々に離れた遊離型の2つを合わせて総コレステロールという。
・コレステロールは、臓器や器官、血管壁など細胞膜の構成成分であったり、ホルモンの合成など、生命活動の維持に重要な役割をはたしている。
・必要以上に蓄積された場合は、動脈硬化の危険因子となる。
・動脈硬化性疾患の診断や経過の判定を調べる検査。

〈検査結果からわかること〉
●成人の基準値は、130~ 219mg/dl 。
●220mg/dl以上を治療開始基準とする。
①年齢:男性は40歳前後から高くなり、60代まで上昇し、70代、80代になると低下する。女性は、更年期ころに急に高くなり、閉経以降は男性と同レベルかそれ以上になる。
②体位:仰臥位は、起立時より5~ 10%低値。
③季節:春~夏は低く、秋~冬にかけて上昇する。

異常値
高値
※からだが必要とするコレステロール値は、1日当たり1~ 1.5g
☆続発性高コレステロール血症:
糖尿病、甲状腺機能低下症、末端肥大症、閉塞性黄疸、胆汁性肝硬変、脂肪肝、ネフローゼ症候群、肥満などが原因で起こる。
☆ほかの病気が原因で高値を示すものを、続発性高コレステロール血症という。
★300mg/dlで、家系的にコレステロール値が高く、とくに狭心症や心筋梗塞で倒れた人のいる場合は、遺伝性の強い家族性高コレステロール血症を疑う。
低値
★おもな疾患:酵素欠損による原発性低コレステロール血症、肝硬変、慢性肝炎、甲状腺機能克進症、アジソン病、栄養失調など

LDL HDLコレステロール
【検査の目的】
●血液中に存在する脂肪がタンパク質と結びついたものを、リポタンパクという。
●リポタンパク:超低比重リポタンパクのVLDL、低比重リポタンパクのLDL、高比重タンパクのHDLに分かれる。
●LDLコレステロール:悪玉コレステロールといわれ、動脈硬化を引き起こす。
●HDLコレステロール:善玉コレステロールといわれ、動脈硬化を防ぐ。
●動脈硬化性疾患の危険因子の有無を調べる検査。

〈検査結果からわかること〉
●基準値は、LDLコレステロールは50~ 139mg/dl。HDLコレステロールは40~ 99mg/ dlだが、思春期から閉経期までは、女性は男性より10mg/ dlほど高め。
●LDLコレステロールの高値、HDLコレステロールの低値は、心筋梗塞、脳血栓症、高脂血症など動脈硬化性の病変を引き起こす可能性が高い。
●LDLコレステロールが140mg/ dl 以上は、早急に治療が必要。


異常値
〈LDLコレステロール〉
高値
おもな疾患:Ⅱ a型高脂血症、甲状腺機能低下症、閉塞性黄疸、胆石、肝臓がん、脂肪肝、ネフローゼ症候群、糖尿病、急性膵炎、家族性高リポタンパク血症、ステロイド投与など。
低値
★おもな疾患:甲状腺機能克進症、低(無)β リポタンパク血症、肝硬変、劇症肝炎、アジソン病など。

〈HDLコレステロール〉
低値
☆おもな疾患:肝細胞障害、冠動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、甲状腺機能克進症、インスリン依存性糖尿病、慢性腎不全、関節リウマチ、高リポタンパク血症、肥満など。
高値
☆おもな疾患:高HDL血症。

トリグリセリド
(中性脂肪)〈TG〉
【検査の目的】
・トリグリセリドは、体内に最も多く存在する脂肪成分で、エネルギーの運搬や貯蔵、臓器や組織の維持などの重要な役割を担っている。
・過剰になると、脂肪組織(皮下脂肪)や肝臓、血液中に蓄積され、虚血性心疾患や動脈硬化などの危険因子となる。
・コレステロール値の測定とともに、動脈硬化性病変を引き起こす疾患との関連で欠かせない検査。

〈検査結果からわかること〉
●正常値は30~149mg/ dl (空腹時の測定)。
●150mg/ dl以上は高脂血症と判断され、治療対象となる。
●トリグリセリド値の変動は、次のようなことで見られる。
①食事:食後30分より上昇し、4~ 6時間後に高値を示す。12~14時間の絶食後の採血、測定が原則なのは、食事の影響を受けやすいためである。
②性別。年齢:男性は女性に比べて10~ 20mg/ dl高め。男性40代、女性60代で最高値を示す。
③季節:夏に低く、冬に高くなる傾向にある。
④飲酒:影響を受けやすく、飲酒の習慣により20mg/ dl程度高値となる。


異常値
高値
☆おもな疾患:高トリグリセリド血症、糖尿病、高尿酸血症、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、アルコール性脂肪肝、閉塞性黄疸症など。
☆高トリグリセリド血症:1000mg/以上を示すこともある。
☆その他の原因:肥満、高脂肪食、高カロリー食、アルコール飲酒、サイアザイド系利尿剤、経口避妊薬、副腎皮質ホルモンなど。
低値
☆おもな疾患:慢性肝障害、栄養不良、呼吸不良症候群、悪液質など。
☆その他の原因:中性脂肪が低く、コレステロール値が高い場合は、下垂体機能低下症の疑い。

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